ラブドール職人の結婚生活を描いたコメディ映画《ロマンスドール》



予告とは裏腹に、めっちゃ軽やかだった!ふたりは終始おしどりだったワケじゃなく、実生活にありがちなすれ違いや話し合い、それらをなんとか乗り越えながら夫婦を営んでいて。劇場にいた7割ほどの女性客は「やだ〜」とか「もう〜」とか言いながら、ふたりの行く末を見守ってい─

たかと思いきや。なんだこの怒涛の後半は…!前半のクスクス笑いが嗚咽の合唱に変わったのは言うまでもない。私も例に漏れず、声をあげて泣いてしまった。お涙ちょうだい、っちゃぁちょうだいな展開なんだけど、仰々しいセリフや音楽がなく、あまりにも淡々と日常が過ぎていくので、より一層切なさが際立っていたの。


注意以下ちょっぴりネタバレ注意注意



とくにグッときたのが、主人公(高橋一生)のスケッチブック。女性器をつくるためのデッサンだったのに、そこに描かれていたのは妻の表情ばかりで。もう、めっちゃ愛してるやん。あとは銭湯へ行くシーン。最後の情事に及ぶ前に体を清めるところが、哀しくて耐えられなかった。このへん、女性監督ならではの感覚なのかな。性描写には、いやらしさも痛々しさも感じられず、園子(蒼井優)がちゃんと気持ち良さそうだったし。(ここ重要。いまだに邦画って、女性から観ると「イテテ…」って思うセックスシーンが多い。気がする。)

そして、主人公が人形作りに打ち込むクライマックス。気付けば泣きながら「てっちゃん(高橋一生)がんばれ!」って応援している自分がいて。ラストは微笑ましくも力強い。エンドロールで流れるネバーヤングビーチがまたいいんだよぅ。ともすると辛気臭くなりかねないこの手のストーリーを、やわらかい後味に変えてくれる。

そうして劇場を出るときに思う
「なんか、めっちゃ、いいもの見た!」

暫定、今年いちばんの嗚咽映画ですえーん


今日はZTV(滋賀県のケーブルテレビ局)
『Good Life』のロケだったよチョキ


お世話になった
・すぐる会
・みずえの会
のみなさま

ありがとうございましたテニス