平成元年生まれ映画仲間のぽろちゃんが、2019年ナンバーワンだとオススメしてくれた作品《家族を想うとき》。

これは…私のハッピーエンド至上主義に反する重苦しい物語にも関わらず、彗星の如く今年のトップに躍り出た…。病も死も出て来なければ、特別な災難が降り注ぐワケでもないのに、どうしてだろう、悲しくて涙が止まらない。


そうか、わかった。このツラさ、この苦しみ、私も出逢ったことがあるからだ。きっとうちの両親はもっとよく知っているし、あの団地で暮らしていた家族、さらに言うと労働者の大半が、この気持ちを痛いほど理解できるんじゃないかな。


それでも不遇さを憂えることなく、みんな今日より良い明日をつくろうと、必死にもがいている。その姿がまた、健気で意地らしく、泣けてしまう。映画《ジョーカー》に感じた

「自分だけが不幸だなんて思ってんじゃねぇよ。誰だって事情を抱えて、それでもなんとか前を向いて生きてんだよ。甘ったれるな!」

という憤りが消化された。だって、この世に生きる〝ヒーロー〟のほとんどは、あんなふうに(ジョーカーのように)怒りや哀しみに任せて堕ちていくことはせず、ただただ家族を想いながら懸命に働いて、働いて、働き続けている。もうさ、そんなに頑張らないでって言いたいけれど、家族と生活があるんだもん、頑張る、以外の方法が、見当たらないんだよね…。目を背けたいほどリアルで、現代人の悲痛な叫びが込められた大衆映画だった。傑作!!!


ただ…。昨年、アメリカ映画《プーと大人になった僕》において、〝ブラック企業〟で働く主人公の帰宅時間が夜9時だったことに日本人がずっこけたのは記憶に新しいが、このヨーロッパ映画でも、休みなく〝ハエのように〟飛び回る主人公が「毎朝6時半に家を出て、帰りは夜9時を過ぎるのよ…!」という旨のセリフを吐いている。…いや、ちょっと待て。日本ってそんな人、ゴロゴロいないか…?なんなら、夜9時に帰れたらマシな方では…?この物語 同様に介護士をしているママルンバなんて、毎日ほぼ始発で出勤して、ほぼ終電で帰って来ているぞ…?工場に勤務する妹の旦那もしかり…。ひょっとして…日本人、働きすぎ…?


映画に同調できないほど、世界との感覚に差があるなんて、切実に危機感を覚えるわ。



(祖父母宅でクリスマスパーティークリスマスツリークリスマスベルサンタ)





《ルパン三世 THE FIRST》も観た!なお、この公開を記念して、少し前に《カリオストロの城》がリバイバル上映されていて…それもめちゃくちゃ良かったんだなー!