昨夜の女子団体戦決勝の日本対中国戦は面白かった。結果は2勝3敗で準優勝に終わったが、善戦以上と言って良いと思います。日本はグループリーグから準決勝まで、すべて3勝0敗のストレート勝ちを収めて、21連勝中であった。途中イラン戦で平野美宇選手の0ー2からの逆転勝ちや、張本美和選手のこれまた0-2からの逆転勝ちがあったりで、すべて順調という訳にはいかなかった。しかし実力があるなという感じではあった。盛り上げるための過度の煽りなどが気にはなったが、テレ東も中継頑張っていた。そして最後の中継は延々と延長中継をして、よくぞ頑張った。民放だとスポンサーの関係もあり、延長にも限度があると思われるが、事前に恐らくこうなったら延長にしますよと言う、下準備が行われていたのであろう。スムーズに延長中継に入っていた。今までは圧倒的に中国の3-0が多かったので、正規の中継体制は2時間が限度であったのであろう。全試合5ゲームなので、3-0のストレートだと1時間半もあると終わる。釜山大会だったので時間差もなくて、臨場感が半端ではなかった。これで卓球ブームが再燃するであろう。福原愛が味噌漬けて、石川佳純が引退して、卓球もこのまま駄目になるのだろうかと思っていたが、少し安心した。が、パリ五輪までは安心できないかな。もし仮にパリ五輪で金メダルを獲得できれば万々歳であろうが、ドイツを破ったフランス、台湾を破った香港が3位に入っている。今回はパリ五輪出場を決めた各国は侮れない実力を持っていた。五輪の団体戦はダブルスがある。準決勝進出を決めても、3位決定戦に勝たないとメダルはない。前回混合メダルで金メダルを取っているので、金メダル0だと世間は満足しないだろう。注目を浴びると逆風も凄い。伊籐美誠が団体戦に強いことも分かった。負けると伊藤選手の方が良かったという声が出てくるに違いない。

 私は今回の団体戦を見て、張本美和選手の起用は間違いなかったと思う。8戦無敗の平野美宇選手を1,2番に起用したらという声も出てくると思うが、それは団体戦を知らない人がいうことである。もし仮に3番に張本選手を出して、平野選手を1番か2番に出したら0-3か1-3で負けていたであろう。孫穎莎選手の気迫と集中力は素晴らしかった。実力も中国勢の中でも抜けている感じであった。インドの選手に負けたのが信じられないほどである。王芸迪選手も伊達に世界ランク2位につけているわけではない。中国の監督が日本人選手相手では王芸迪よりも陳夢選手の方が勝ちやすいと判断したのであろう。中継でも言っていたが陳夢選手はこの4年間で日本人選手に負けたことがないということであった。孫頴莎選手と王芸迪選手とのポイント差は大きかった。ダントツの1位選手なのである。悪くとも3-1の勝利を考えていたのであろう。最悪でも陳夢選手の経験を買っての起用で、3-2は最悪の場合だったのであろう。アテネ五輪や北京五輪で金メダルを獲得した選手が監督を務めていた。さすがの読みである。

 早田選手が陳夢選手に勝ったこと、平野選手が王芸迪選手に3-0で勝ったことは、パリ五輪に向けて好材料である。後はこの5ヶ月で張本美和選手がどこまで伸びるかである。弱点も研究されるであろうから、それ以上に伸びないと駄目である。多感な15歳である。プレッシャーに押しつぶされないならば良いが。

 男子は準々決勝で中国に0勝3敗で敗れてベスト8で終わった。16歳の松島輝空選手が13-11,10-12,10-12,7-11だったかな世界1位に敗れた。女子が15歳の張本美和選手を選択したのだったら、男子は16歳の松島選手を選択しても良かったのではないかと思った。世界ランキングでは男子の日本人選手の中では3位だったんだから。実績十分で、世界ランキングでも日本人2位の伊藤選手を外すよりも、風当たりは弱かったんではないだろうか。今回の世界大会では戸上隼輔選手が出られなかったので松島選手に脚光が多く集まったが、実力もあったのが分かった。まあ卓球選手の寿命は長いので、次の次でもいいのかもしれないが、惜しい気がしたのは私だけであろうか。

 今回の世界卓球2024釜山大会をTV中継で見た少年少女が5年後10年後に活躍することが期待できる。なんだかんだ言ってもTV中継の力は大きいのである。テレ東さんありがとうございました。