昨日はなかなか忙しかった。朝日杯の準決勝と決勝を見て、その後ABEMA地域対抗戦を見た。しかし残念ながら地域対抗戦は第1局が始まった辺りで寝落ちしてしまった。起きた時は伊藤匠七段対佐々木大地七段戦があっていた。おかしいなと思いながら、思い出そうとした。確か伊藤七段は先発メンバーではなかったはずだがと思った。佐々木大地七段は先発メンバーだったが3番手ではなかったかな、などと思っていると、関東Bチームが2勝、九州チームが4勝しているではないか。つまり佐々木大地七段が勝てば九州チームが関東Bチームを破ることになる。正直なところメンバーが発表された時、関東Bチームが優勝候補の最右翼だと思った。中部チームが対抗馬かな。藤井竜王名人と豊島将之九段の2枚看板はあるが、関東Bチームと比べると少し見劣りするかなと。

関東Bチームは最多所属棋士の中から渡辺明九段が東京と神奈川から選抜したチームで豪華である。永瀬拓矢九段、増田康宏七段、伊藤匠七段、そしてフィッシャールールによる対局で藤井竜王名人に2連勝した森内俊之九段というメンバーである。これでは遠慮が無さ過ぎるだろうというものだ。ABEMAトーナメントの団体戦で優勝したメンバーが3人もいる。今回の地域対抗戦では、勝ち残り方式を取っている。ABEMAトーナメントでは3連勝が最多連勝で、基本連投はあまりしない。それが今回は5連投もあるという方式である。早速藤井竜王名人は5連勝を記録してしまった。羽生善治九段も4連勝である。菅井竜也八段も3連勝をしたので、勝利チームは連勝で決めるという感じである。

 予選リーグ1回戦の最終戦の関東Bチーム対九州チーム戦は何と九州チームが5勝4敗で勝利した。金星と言うと九州チームに失礼になると思うが、番狂わせであろう。最初に監督自らの出陣で渡辺九段に対して九州チームの1番手は古賀悠聖五段である。中田功八段門下の福岡出身の棋士である。次点2回でフリークラスからのスタートだったが見事C級1組昇級を果たした新鋭である。しかし関東Bチームのオーダーは1番手渡辺九段、2番手に永瀬九段、3番手森内九段である。元タイトル保持者の九段勢に対してどこまで通用するだろうかと見ていた。そして寝落ちしてしまった。思い出したが九州チームは三段リーグで次点2回取った棋士が3人もいる。この古賀五段もそうだが、佐々木大地七段もそうだし、佐藤天彦九段は次点2回取って、昇段を拒否して三段リーグに残った唯一の棋士である。師匠の中田功八段もよくぞ許したものである。それだけ信頼していたのだろう。しかし監督の深浦康市九段をはじめとして順位戦では苦労している。不運続きである。深浦九段の9勝1敗での頭ハネ2度は記録ではないのかな。2度の4勝5敗でのA級陥落も記録ではないのかな。順位戦の不運は弟子の佐々木大地七段にも引き継がれて、いまだにC級2組在籍で、2度のタイトル挑戦を果たした今期も既に昇級は絶望である。

 余談が多くなって朝日杯の事が書けそうにもないが、まあいいか。古賀五段は見事渡辺九段、永瀬九段に連勝したが森内九段に討ち取られた。森内九段は続く佐藤天彦九段にも勝ち2連勝としたが、佐々木大地七段に敗れた。ここで渡辺九段にチェンジして増田七段が登場したらしい。佐々木大地七段は増田七段に勝ち九州チームが4勝目を上げた。ここで出て来たのが永瀬九段にチェンジして伊藤匠七段だった。後に渡辺九段は監督の采配ミスというようなことを言っていたが、誰が出てきても連勝できる力を持っているので、油断が有ったのかもしれない。私が目を覚ました時は終盤戦で、後手の伊藤七段が上手く寄せ切ってしまった。佐々木大地七段の3連勝ならずである。今までの勝利チームは3連勝以上していたので、ここで伊藤七段が3連勝するのかと心配になった。福岡在住の私としては九州チームを応援しないわけにはいかない。都成竜馬七段の登場である。髪を長く伸ばして印象が変わっていた。後手の都成七段が上手く指して千日手に持ち込んだ。しかしフィッシャールールによる対局では意外にも後手がよく勝っている。短い時間で局面を打開していくの難しいのであろう。千日手指し直しでは先手の都成七段が中飛車を選択したが、伊藤七段に上手く指されて簡単に寄せられた。二つのタイトル挑戦は実力通りと思わせるものであった。

 最終局は深浦九段が出場するのかと思ったら、佐藤天彦九段の再登場である。2番手に起用されるのがそのチームのエースのようである。1,2番手は負けても再登場の機会がある。しかし再登場棋士が大逆転を生み出すことは、今期は今までになかった。連勝者がそのまま押し切ることがほとんどであった。最終局は再び振り駒が行われる。先手は佐藤天彦九段に決まった。最近よく指している振り飛車で、四間飛車を採用した。飛車を取らせて攻めを継続したのが好手でそのまま押し切った。予選4戦目で最終局までもつれた対局は九州チームの勝利に終わった。以前予選はリーグ戦と言ったが変則トーナメントと言うか、アマチュアの大会で多い、2勝勝ち抜け、2敗失格の方式である。Bグループの1位決定戦は中部チーム対九州チームになった。どちらを応援するか迷うな。九州男児としては九州チームを応援すべきであるが、中部チームには藤井竜王名人がいるからな。