ネットニュースを見ていたら「福島県知事、処理水放出にだんまり 県民から不満の声も」という見出しが飛び込んできた。今日の9時5分の朝日新聞DIGITALの記事のようだ。開けてみてみると「福島県の内堀雅雄知事のだんまりが続いている。」「関係部局長会議を開き、政府方針にどう対応するか協議を始めた。」そして「県としての意見を取りまとめたうえで、改めて説明する」と述べたことに対して「だんまり」と決めつけているようだ。約15分後の会議後に、大したことが言えるはずもない。真っ当な答えだと思うが、後の方で「複雑な県民世論に配慮している」(自民県連幹部)との見方がある。ただ、煮え切らない態度には「処理水で県が主体でやっていることは何もない」(いわき市の漁師)、「総務省出身で国の方針に何も批判的なことを言わない」(県議)といった不満も広がる。とあった。

 昨日も言ったように、今回の処理水放出で一番配慮しなければいけないのは、「風評被害の拡大を食い止める」ことである。韓国では早速風評被害が拡大しているようである。一度は心配ないとしたのに、政治的な思惑で今でも「汚染水」と表現して韓国民の不安を煽った結果、風評被害の拡大につながっているようだ。(いわき市の漁師)が言ったことは間違いないのかもしれない。(県議)が言ったことも本当かもしれない。漁師は一般市民だろうから匿名でも構わないが県議は匿名でなくてもいいだろう。せめて共産党か自民党ぐらいは書いてもいいのではないかな。TVでも問題になったが、仮に10人にインタビュー調査して7人が賛成、3人が反対でも、反対の声として2人を紹介して「他にも反対の声がありました」としたらアンフェアだろう。事実としては噓を言ってはない。残りの8人のうち1人は反対の声があったのだから。研究や実験では検証できるかどうかが大事である。上記の記事は検証できないようにしている。

 「忖度」は日本文化の根深いところに基づいている。戦前「大本営発表」に対して別の情報もマスコミは持っていたと思う。戦後占領下の日本で色々な占領軍兵士による不祥事があったはずである。それをマスコミは知っていたはずである。「5.15事件」や「2.26事件」の為にマスコミが萎縮して偽情報と知りつつ、大いに喧伝したことは、まあ戦後大いに反省してくれたら、あまりとやくいうのも大人げないということになるかもしれない。しかし偽情報を信じて幾多の若者が命を落としたのも真実である。「戦犯問題」でもA級戦犯ばかりに陽が当てられて、「B級C級戦犯」には陽が当てられない。こちらの方が圧倒的に多いのに。「私は貝になりたい」は数少ない戦犯問題を扱った映画である。名作だと思う。日本人慰安婦の話をあまり聞かないのは、恐らく「忖度」が働いているからだと思われる。「B級C級戦犯問題」にも恐らく「忖度」が働いているのであろう。戦時中や戦後の事はあまりほじくり返さないでおこうというような「忖度」が働いていると思われる。

 昨日「7つの会議」という野村萬斎主演の映画を見た。「隠蔽」や「黙認」も日本人の専売特許とは言わないが、多いのであろう。橋田壽賀子さんが亡くなったが、「おしん」はアジアで大ヒットしたという。「2.26事件」の背景には東北の貧困があったと聞いているが、あまり今では問題にするものはいなくなったな。「酌婦」や「湯女」が売春するのは当たり前の時代であったが、今ではあまり語られることも少なくなった。これもまた「忖度」が働いているのかな。不都合な真実は隠蔽するか、語られなくなって人々の記憶から消し去られるのがいいのかな。どうもよくわからない。