昨日はA級順位戦8回戦があった。羽生善治九段が敗れたけれど順位の関係で残留を決めたことを知ってベッドに入った。斎藤慎太郎八段が稲葉陽八段に勝ち、挑戦者決定かとなったが、広瀬章人八段が羽生九段を破り、6勝2敗となったので、昨日の挑戦者決定はなくなった。豊島竜王対佐藤康光九段戦と菅井竜也八段対三浦弘行九段戦はまだ結果がわからなかったが、知りたいことは分かったので安心して寝た。結果は佐藤康光九段と菅井八段の勝利で、A級陥落者が決まった。稲葉八段と三浦九段である。どちらも名人挑戦の経験がある棋士である。今期の名人挑戦は斎藤八段か広瀬八段のどちらかに決まった。昔米長永世棋聖だったかな、A級八段が最も強いと。A級八段最強説を唱えていた。A級九段は勢いがなくなっているので勝負弱いとか仰っていたように思う。その頃は順位戦が昇段規定になっていた時代だったのかな。A級1年目で名人挑戦を果たし、加藤一二三名人から名人位を奪取したのは谷川浩司十七世名人である。同じくA級1年目で名人挑戦を果たし、米長邦雄名人から名人位を奪取したのは、羽生善治十九世名人である。A級九段だったけど。名人位奪取はならなかったけど、羽生名人の後森下卓九段や森内俊之十八世名人はA級1年目で名人位挑戦を果たした。あの頃は羽生世代が他の棋士たちを圧倒しようとする時代だったな。森下九段は「準優勝男」となっていってとうとうタイトル挑戦6回を誇るが奪取はならず、無冠の帝王になってしまった。当時の噂話で米長永世棋聖が森下九段に頭を下げて若手の研究会に参加させてもらって、中原誠十六世名人から名人位を奪取したというのは、あながち噓ではなかったようだ。名人位を取るような棋士は吸収力が違うので、若手と指すと若手棋士の長所を吸収してしまうという。中原誠十六世名人も9期連続の名人位を退いた後も、二度の名人復位を果たし、通算15期の名人在位記録を持っている。

 今回「証言 羽生世代」を読んで、久保利明九段が関東所属から関西所属に変わり。奨励会員相手に研究会をしているという噂があったが、相手が菅井竜也八段であり、稲葉陽八段や豊島竜王とも練習将棋を指したという。昔はより強くなるために上京するということがあった。「明日は東京に出ていくからは」村田英雄が歌う「王将」の一節であるが、主人公は伝説の阪田三吉名人王将である。今は関東から関西に移籍する棋士が出て来た。関西奨励会も有望な少年会員が多いと聞く。杉本昌隆八段の「東海にタイトルを」の夢がかなえられたと大喜びをしていたのが印象的であった。藤井二冠も高校卒業後はしばらく地元に残る予定らしい。板谷父子以来の夢は藤井二冠に受け継がれているかどうかはわからないが、出来れば名人奪取までは地元にいてほしいなあと思っている。