昨夜は11時過ぎに、村山七段を順位戦で破って、藤井二冠が連敗を3で止めた。順位戦はこれで16連勝である。順位戦はこれまで35戦して驚異の34勝1敗である。1敗は現在B級1組で活躍している近藤誠也七段にC級1組で喫している。公式戦3連敗中の藤井二冠は、豊島竜王にとんでもない負け方をしたので、引きずっていないか心配された。1勝3敗とかはあったが、初の公式戦3連敗を喫して大丈夫かなと思わせたが、元通りの勝ち方だった。対豊島戦5連敗目も6連敗目も、藤井二冠の勝ち筋もあっただけに、後を引きそうな負け方だった。しかも過去に負けたことのある村山七段である。藤井二冠は過去に負けたことのある棋士には、意識するのか、結構苦戦をすることがある。まあ2連敗することはあまりないが、内容的には慎重になって勝つのが遅い。解説は藤井二冠に勝ったことのある井出四段と元叡王の高見七段、それにタイトル挑戦の経験もある本田五段である。夜の部は高見七段と井出四段でなかなか面白かった。藤井二冠が過去に連敗したことのある棋士は確か皆関西所属の棋士ではなかったかな。村山七段は元関東所属だったが、現在は関西所属である。

 長い長い序中盤戦が終わりに近づいても、まだまだ五分五分である。両者とも残り時間が30分を切り、終盤戦に差し掛かったかな思われた。AIは村山七段の7五歩を悪手と判断しておそらく初めて60%を超えた。以前の藤井二冠なら60パーセントを超えてからは、逆転などは許さず、自然な手を繰り出して、あっという間に優勢から勝勢を築き上げていった。豊島竜王戦での99%からの逆転負けを見ているので、全然安心できなかった。しかし対局者の戦意をくじくような手が数手出て村山七段は投了した。高見七段が振り返って、藤井二冠が50%切ることがなかった完勝譜だと言っていた。豊島戦の記憶が残っているファンとしては、最後まで安心することが出来なかった対局であった。

 次局は永瀬戦かな。藤井二冠の2戦2勝だが、いずれも棋聖と王位のタイトルに直結した対局だった。もう王将挑戦の目はなくなったような感じだが。過去に4勝2敗の王将位挑戦はあったはずである。リーグ残留を目指した後、挑戦の目が残っていたら挑戦してほしい。3連敗で勝率8割超が切れているので、8割にも戻してほしい。7割でもすごいけど、先人がいるからな。前人未到の記録を打ち立ててほしい。