久しぶりにブログを更新する。西山三段は結局勝ち越しもならず、6連敗中である。藤井二冠は今期初の2連敗である。豊島竜王との日本シリーズは惜しかった。二転三転はするがまさか藤井二冠が四転するとは。藤井二冠は相手も最善手を指してくると思っているが、そうではない事もある。悪手を指しているのに、豊島竜王や斎藤八段、菅井八段、それに久保九段も悪手を指しても、藤井二冠に対してひるまない。皆関西所属の棋士で、藤井二冠が奨励会の頃活躍していた棋士である。斎藤、菅井両八段は克服したかなと思うが、久保九段はまだわからない。40%前後の形勢でも静かに指し進めていく。他の棋士は藤井二冠相手に序盤不利になったら、そのまま敗勢に追い込まれるということで、あれこれするのだが、久保九段や豊島竜王は違う。今回の羽生九段も40%を切るような形勢になっていたが、あわてなかった。4八歩とはよく打てたものである。羽生九段はこれで対藤井戦全敗を免れた。藤井二冠は30代後半から上の世代に強い。研究を進めているからであろう。20代棋士と30代前半は藤井将棋をよく研究している。しかしそれも藤井四段当時の話である。今は少々の研究では勝てない。結局藤井二冠に悪手を指してもらわないといけない。そして終盤戦に入ったら、踏み込んでいくしかない。安全勝ちは禁物である。

 しかしこれほど研究されながら8割の勝率をキープするとは驚異的である。谷川八段(当時)や羽生五段(当時)をそれほど研究していただろうか。名人や竜王を取るとは思っていなかったのではないかな。失礼だが島竜王に挑戦した時は奪取すると思っていた。むしろ3勝4敗は善戦したなと思った。その頃は羽生五段の強さはNHK杯で証明されていたからな。棋士の本気の研究がどれほどすごいものか、最近近藤誠也七段の言葉で知った。昨日までの藤井将棋に今日の藤井二冠は勝たねばならないから本当に大変だ。

 相変わらずタイトルに偽りありだな。中七海二段が9月20日の奨励会対局で三段昇段を決めた。女性としては三人目の奨励会三段である。まだ21歳なので5年ほどの猶予期間がある。兵庫県出身で井上九段門下である。来期三段リーグにギリギリ間に合ったが、来期は三段リーグの厚い壁に泣かされるのだろうなあ。

 今井絢5級が9月12日に4級昇級を果たした。杉本門下の18歳である。実は元4級で復帰と言った方が正しいのかな。加藤桃子初段(当時)が降級して、再度初段に復帰したのは一部では有名だが、女流のタイトル獲得との影響があったのか、なかったのか。

 気になるのは、里見三段(当時)、西山三段、中三段いづれも関西所属である。関東には何か見えない壁があるのか。いづれにしてもひさしぶりに三段リーグに複数の女性が戦うことになる。今から楽しみである。西山三段の四段昇段を願う。伊藤三段は14勝で2局残して四段昇段が決まった。西山三段の14勝4敗の次点がいかに惜しいかがわかる。