西山三段について書いてみたいと思う。今読売新聞で竜王戦6組のランキング戦準決勝の星野良生四段戦の棋譜が載っている。今日の分で第5譜だから明日で終わりなのかな。観戦記は藤井奈々女流棋士が担当している。今年4月に初段に昇段した女流プロである。伊藤博文門下で西山三段の妹弟子になる。藤井奈々女流プロは時々観戦記を書いているが、まだ22歳と若い。記録係の隣にいると、どちらが記録係かわからない感じである。藤井姓は3名になった。若いのに観戦記を任せられているのは、やはり文才が認められてのことだと思われる。

 初の5組昇級なるかと期待されたが、残念ながら星野四段に阻止された。女流三冠ということでの竜王戦出場なので、一度敗れたらそこでおしまいである。昇級者決定戦には回れない。竜王戦のランキング戦は2敗失格のルールなのに、女流棋士やアマチュアは1敗で失格である。竜王戦の6組は制度改革が必要ではないかと思う。基本32名が定員と思うが、今は多過ぎる。

 三段リーグが始まり、西山三段は1勝1敗のスタートになった。今日も対局があっているので結果が気になるところである。来週もあるらしく、7月8月は3回あって各6局戦う。2か月半遅れの三段リーグなので、過密日程になりそうだ。幸い出場する女流棋戦はすべてタイトルを持っているので、タイトル戦のみの対局なので、都合がつけやすいかな。里見女流4冠も通った道なので、体調に気を付けて、この夏を乗り切ってほしい。そして9月には初の女性棋士誕生の報道に接したいものだ。

 今期西山三段が三段リーグで3位以内になるのではないかと思ってしまうのは、実は新人王戦の結果を知ってからのことである。今までは「女なんかに負けるか」という雰囲気もあっただろうし、次点を取ったせいで警戒もされると思うから、今期の三段リーグでの昇段は無理かなと思っていた。しかし新人王戦で青嶋六段を破り、ベスト8に残った。竜王戦の6組ベスト4もすごいが、新人王戦ベスト8もすごい。しかも青嶋六段を破ってのものだ。星野四段に敗れた時は、正直言って「やっぱり」だった。しかし棋譜を見たら不利な局面から盛り返している。長谷部浩平四段に対しての2連勝も、仲間内の評価を上げているのではないかな。まぐれの勝利ではないことをこの一年で結果として残している。今勢いもあるようだから、運も味方につけて三段リーグを突破してもらいたい。後に続く、女性でプロを目指す人たちの為にも、頑張れ西山三段。