今日「プレミアムシネマ」で「心の旅路」があると知って録画をしておいた。記憶が曖昧だが、学校から帰ってきてテレビをつけたら、この映画が放送されていて、途中からだが見たような記憶があった。ラストのシーンに感動した覚えがあった。中学か高校の頃かなと思う。今回見たら1942年の作品であった。公開は1947年とあったがそうかもしれないと思った。戦時中だったらちょっと辛いかもしれない。

 最初に印象的だったのは、劇中の俳優の話す英語であった。字幕放送だったので、英語が話されていたが、それが綺麗だと感じた。アメリカ映画とあったが、舞台がイギリスなので英国人俳優が演じているのかなと思った。私の中学時代の英語教師は別に優秀だとは思わなかったが、おそらく発音は英国式だったと思う。1,2年の時の教科書が変わって、3年の時の英語の先生は米国式の発音だった。別に英語は苦手科目だったのであまり意識したことは無かったが、米国式の発音に違和感を覚えた記憶がある。ドラマのルーシーみたいな発音だなと思った。そこで女性の先生でもあったので、「ルーシー先生」とあだ名をつけたように思う。

 主人公の記憶喪失の軍人役がロナルド・コールマンで踊り子の若い女がグリア・ガースンというが、どちらもあまり記憶にない。踊り子のポーラが踊るシーンなど全く記憶になかった。おそらく見ていなかったのかな。2人が結婚して田舎の家に住むわけだが、そのあたりから見覚えがあった。主人公は仮の名をジョン・スミスというが、リバプールに出かけて自動車事故に遭い、自分がチャールズ・レイニアと思い出す。と同時にジョン・スミス時代の事を忘れてしまう。英国の没落は第一次大戦で優秀な人材を大量に失ったことに端を発していると読んだことがある。「スミシー」もまだ大学も卒業していない富裕な階層の子弟であった。舞台は1918年秋から始まって10年以上にわたるが、1930年代に入っているかどうかはわからなかった。父の事業も継承して、国会議員にもなり、爵位も授けられ、レイニア卿になるが、一方ポーラは幼子も亡くし踊り子にも戻れず、秘書になっていた。名もマーガレットと変え、新聞で見たチャールズ・レイニアがスミシーと分かったので秘書に応募して、優秀な私設秘書としてチャールズの傍らで彼の力になっていた。そしてチャールズからの形だけの、合併のような結婚の申し出を受け入れる。

 色々あってチャールズはスミシーの時の我が家にたどり着く。ずっと持ち続けていた家の鍵でドアを開けたところにポーラがやってきて、後姿のチャールズに「スミシー」と呼び掛ける。振り向いたチャールズはマーガレットを見て「ポーラ」と言って、抱き合いキスシーンで終わる。