昨夜は寝落ちしてしまい、大将戦の1局目で寝てしまった。互いにオーダーは意表をつくものだった。先鋒戦は木村王位対高見七段であった。中堅戦は行方九段対糸谷八段で、大将戦は野月八段対都成六段であった。チームリーダーの木村王位が先鋒戦に出場し、糸谷八段が中堅戦に出場した。チームリーダーの先鋒戦出場は初めてではないかな。木村王位圧勝の後、高見七段がお返しの圧勝。誰かが言っていたが、「仕返し」と。互いに圧勝した後、最終局は少しもつれたが、木村王位の貫録勝ち。高見七段がしおれていたのが印象的だった。前回の森内九段戦も1勝2敗だったので、チームに迷惑かけたという気持ちがよく出ていた。チーム糸谷はこの時点では-2ポイントである。

 中堅戦の糸谷対行方戦は糸谷八段の力強い指しまわしが光り2連勝した。前回の佐藤康光九段戦で1勝2敗と負け越し、チームの負けが決まっていたので、今回はかなり気合が入っていたようだ。糸谷八段はこのフィッシャールールに一番適応しているのではないかと言われていたから意識していたのかな。これでプラスマイナスゼロになって大将戦が決勝トーナメント進出を決めれるかという戦いになった。

 野月対都成の大将戦はハラハラドキドキの展開だった。途中糸谷八段が「都成六段の将棋で、一喜一憂するのはやめよう」と言っていたほどである。1局目は長く都成六段の優勢の局面が続いたが、最終盤で間違えて逆転負けを喫してしまった。2局目も有利に戦いを進めていたが、野月八段の受けと攻めに翻弄されて負けにしてしまったかに見えた。ところが野月八段に悪手が出て、都成六段が野月玉を詰ませた。何か詰んでしまったという感じであった。「将棋は最後に悪手を指した方が負ける」と言われるが、本当にそのままの局面だったな。前回の谷川九段戦も、本来なら2連敗で終わってしまってもいい形だったが、最終局はいい将棋を指して、唯一2勝1敗だったのだからわからないものだ。

 さて最終局は都成六段の先手になった。1局目は都成六段の先手だったが、序盤で千日手にしてしまった。都成六段は居飛車を採用した。元来は振り飛車党らしいが、最近は居飛車もよく指しているとのこと。解説は横山泰明七段で聞き手は山根ことみ女流二段であった。4局目も都成六段の指しやすい局面でスタートした。千日手局はそうでもなかったのかな。先手なのに千日手にしてしまったのだから。ともかく田中寅彦九段を思わせるような序中盤で、局面をリードするのが巧みという印象を持った。谷川戦は谷川九段が弟子の指し手をよく理解して、自然な指し手でリードを奪ったのであろう。結局野月八段戦も最終局が一番出来が良かったかな。都成六段の2勝1敗で終わった。これでチーム糸谷の決勝トーナメント進出が決まった。次回は40代後半と50代ばかりの対決である。早指しでも強い棋士が勝つということか。