昨日も少し触れたが、NHK杯アーカイブスの大山十五世名人対羽生五段について書こう。

 1988年12月放送とあった。今回は後でブログに書こうと思って録画しておいたので、振り返りながら見ることができた。1988年は昭和63年である。12月とあるから、既に昭和天皇が御重篤で自粛ムードが広がっている最中である。第38回NHK杯争奪将棋トーナメントも3回戦に入り、その第3局が大山十五世名人対羽生五段戦であった。トーナメント表を見ると懐かしい名前が出ている。と同時に肩書にも注意が向いた。ベスト16がトーナメント表にあったが、田中寅彦棋聖、高橋道雄十段、谷川浩司名人、森雞二王位とタイトル保持者のなまえがあり、中原誠十六世名人はNHK杯とあった。4回目かなNHK杯保持者になっている。他のタイトルを持っていてもNHK杯保持者はNHK杯ではNHK杯保持者の称号が優先するので、他のタイトルはどうだったかなと思って調べてみた。中村修現九段は中村修七段になっているので、王将位は南芳一王将となっているのかな。棋王位も南芳一棋王かな。王座戦はタイトル昇格しているので中原誠王座かな。「花の55年組」の活躍により七大タイトルを七人で分け持つという時期があった。高橋十段は最後の十段保持者で、この後竜王位が創設され島朗初代竜王が誕生する。塚田泰明現九段は前王座だと思う。

 「花の55年組」とは昭和55年度に四段昇段を果たした棋士で、確か七人いたと思う。後にタイトル獲得者が五人も出た年である。南芳一、高橋道雄、塚田泰明、中村修、島朗現九段である。神谷広志現八段は28連勝を記録して「鉄人28号」の異名を取った。「花の55年組」の一人である。あと一人は泉正樹現八段で「野獣流」の異名を持つ。棋士番号を見ていたら7人ではなく、8人であった。142~149だから8人である。時々こうした記憶間違いをしている。「七人の侍」ではないが、引きずられたのかな。ちょっと調べてみよう。退役棋士の中にいた。依田有司七段であった。平成22年3月引退となっている。同期の棋士がこんなに活躍していたら、プレッシャーになっていただろうなあと、今では同情するが、依田七段は余計なお世話と反発するかな。「花の55年組」の中では最年長である。22歳で四段になる。ちなみに最年少は塚田泰明九段である。中学生の時アマ名人戦で準優勝を飾り、3年足らずで四段昇段を果たした。16歳である。「花の55年組」も「花の57年組」も三段リーグが始まる前の、四段昇段組である。東西決戦をなくし、規定の成績を上げれば四段昇段させるという時代であった。

 脱線したので2回に分けて書くことにする。