『ピンヒールははかない』を読んで、女であることに振り回された10代〜20代を回想 | みんごママの脳内整理

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SLE発症が今までの考え、人や世の中の見え方がを変える転換期となりました。そんな私の日常の気づき、日々の挑戦、発想の転換をお届けする雑記ブログです。

ワーママ、SLE(指定難病)、ダンスサークル運営(Lock,Waack)、ゆるベジタリアン、2020年より祖父と農業開始

佐久間裕美子さんの『ピンヒールははかない』読んで、
10代〜20代を振り返り、今年30歳になる私が
今後どうやって生きて行くか考えました。

 

 

 

 

子供を産んだら自由になれると思っていた10代、
妊娠、出産後の葛藤、
産後のSLE(全身性エリテマトーデス)発症、
当時の気持ちが鮮明に蘇ってきた今、
本文で引っかかったフレーズと共に書きとめておきたいと思います。

 

選んだ道が最善の道

目の前に、ふたつの道がある。右を選んだらどうなるか、左を選んだら、、、と頭の中でシミュレーションする。けれど、いつだって自分が選んだ道がベターな道なのだ、と母は言った。そのこころは、「別の道を選んだからどうなっていたか、という仮説に対する答えは永久に謎。だから自分の選んだ道こそがベストの道を思うしかない」。

今思うと、女性であることに振り回された10代〜20代でした。
10代の頃から、多嚢胞性卵巣症候群という女性特有の疾患を持ち、
月経が不規則、メンタルが身体に出やすく、
試験前、試合前、人間関係がうまくいないときは
平気で3ヶ月くらい生理がとまりました。
生理がきたらきたで、2週間ほど出血が止まらず
貧血で倒れることもしょっちゅう。

その度、将来子供が産めなかったどうしよう、
女性として価値を失うのではないか、ものすごい不安に襲われました。
日常生活にも影響を及ぼすので、カウンセリングも受けていました。

そしてこの不安に襲われる日々を終わらせるため
早く家族や子供を持ちたいと思うようになりました。
そして19歳の時に出会った9歳年上の人と23歳の時に結婚。
24歳の時に、第一子を出産しました。

出産できたことで、
これで「産めなかったらどうしよう」
「女性としての価値を失ったらどうしよう」
の呪縛から解放されると思いました。
やっと私は自分らしく生きれるのだと、嬉しかった!

子供は日々色んな姿を見せてくれるから、
休職中で社会と繋がってはいないものの、子供を連れて歩けば
「若いのにえらいわね」と言われなんとなく承認欲求も満たされました。

でもその後、ほぼ年子で下の子を出産してから
そんな呑気なことも言っていられなくなりました。

毎日何をしたか記憶がない毎日。
怒鳴ってしまうし、
と思ったら泣き出すし、
感情のコントロールが全く聞かない状態に陥った。

そして追い討ちをかけるように
SLE(全身性エリテマトーデス、難病)の発症。
以前から心当たりのある不調はありましたが、
妊娠、出産が原因で症状が進み確定診断となりました。

常に微熱があり、だるくて、朝起きると関節が痛い。
日光過敏のため、日中子供と公園にも行けない。
夏場に完全防備で外出しても顔がやけどにようになり、
人にも会えない。
10代の頃から女性特有の疾患に振り回され、
なかなか女性ホルモンを味方につけられない私の体に
半ば失望していました。

その反面、社会に出て、5年目、6年目と働いている友達が
すごく眩しく、自由で、羨ましく思えました。
望んでいた出産、自由になれると思った出産。
けれど、とっても不自由ではないか。

2人目妊娠時に退職していたので、
私だって母親ではない役割を持ちたいと、
フリーランスで執筆を始めてみるものの、子供の世話で集中できない。

このとき、何度ももし今バリバリと仕事をしていれば、
もっと私らしく、生き生きとしていられたのではないか。
何度も思いました。

でも「選んだ道が最善の道」をいうフレーズをみて
あの時の私は最善の選択をしたのと自信が持てました。
別の道を選んだ私の行く末など、誰も分からないのだから。

産後SLEという難病を発症してしまったけれど
この状態でも支えてくれる家族に出会えた。
体を大切にしようという心から思った。
這ってでも子供の成長を側で見たい。

「選んだ道が最善の道」
今後人生の選択に迷ったら、この言葉を思い出したいと思います。

幸せだって思われたい

「幸せだって思われたい」、他人から承認されたいという気持ちがあるのは、みんな自分の選択が正しいのか不安だからだ。
(中略)
「幸福は、瞬間的に感じるもので、継続的な状態ではない」
それでも人間は、「継続的な幸せ」が可能であるという幻想を抱くし、それを目指して葛藤する。幸せとは何かいいことがあったとき、美しいものに出会ったとき、瞬間的に感じる気持ちのことである。継続的な幸せなんてないのだと受け入れることができたら、他者からの承認欲求から解放されるのかもしれない。
 

私は周りより早めに結婚、出産をしたため、
育児の相談や悩みを分かち合える人が、身近にいませんでした。

当時の私は、
生き生きと活躍する友人(少なくとも私にはそう見えた)が家に遊びにきてくれる時は、幸せな母を装っている部分もありました。
部屋を綺麗にし、手作り料理とお菓子を振る舞う。

こうでもしないと、
自分があまりにちっぽけにみえ、
ちっちゃな自尊心が保てなかったからです。

だけど、これは疲れる!
頑張って幸せオーラを出したあとの、ネガティブ感情と言ったら
なかった。
でも私は幸せだと自分に言い聞かせ、子育てがうまくいかないとき、
人が羨ましく思えたときも、このハッタリで乗り越えて来た。

「幸福は、瞬間的に感じるもので、継続的な状態ではない」
という言葉を当時の自分に聞かせてあげたい。

幸せは瞬間的なもの、
子供を持ったから幸せ、大好きな仕事をしているから幸せ
という訳ではない。

幸せは瞬間的なものだから、
その瞬間を感じられる余裕を持っておきたいと思いました。

欠点だらけの自分を丸ごと愛してあげたい

アメリカに来て、「あなたはそのままでいい」と言われると、最初は戸惑った。けれど、そのうち自分を受け入れてその自分とどう向き合っていくかを学びなさいと言われているのがと分かってきた。
(中略)
いつだって「I am awesome」と言っていつも前向きに頑張る姿を見せてくれる女友達。だからくよくよせずに欠点だらけの自分を丸ごと愛してあげたいと思えるようになったのだ。

「あなたはそのままでいい」ってよく聞く言葉だけれど、
しっくりきていませんでした。
言っている言葉と、周りの反応があまりに違うから。
だから本気で「私は私のままでいい」なんて思ったことはなく
何か不足していて、できないことに目がいき、欠点が気になる状態。

昨日もっと子供に優しくできたら、
体が強かったら、
仕事でいつも同じ失敗をするな、
などなど、欠点発見モードに入るとキリがない。

「ダメなやつ」だから人より努力しなきゃいけないと
「私のままでいること」を否定し続けてきました。

この本を読んで発見だったのは、
「あなたはそのままでいい」ということが
「自分を受け入れてその自分とどう向き合っていくかを学ぶこと」だと
いうこと。

この言葉をみて、
自分はとんでもない勘違いをしていたことに気がつきました。
人に自分のありのままを受け入れてもらうことばかりを考えていたけれど、まず自分が自分のことを受け入れてられてなかったのだと。

自分との向き合い方を学ぶ
具体的に自分がどんなときに落ち込むのか
欠点発見モードに入りやすいのか
どんなときにリラックスし
どんなときにいいアイディアが浮かぶのか
外出自粛中に、自分を観察してみよう。

そしてそれに対するセーフティネットを確保おいた方がいいな。
この気持ちの時はこのハーブティーを飲もう
ここまで下がったら、あの人に連絡しよう
この感じは、子供と意図的に距離を置こう
その時の子供の預け先はあそこにしよう  など

欠点だらけで弱いを嘆いていないで
自分とどう向き合っていくか、30歳になる今年、
8月の誕生日を迎える前に自分のマニュアルようなものを
作りたいと思います。

まとめ

読み返してみてありのままを書きすぎて、全然まとまりがない。

将来子供が産めなかったら、女性として価値を失うのではないか、
と妊娠前まで抱えていた不安。
これは反対に「女性は子供を産める体であることに意味がある」という
固定概念、呪縛に紐づいているものだと思いました。

「女性は子供を持つ=幸せ、価値がある」をいう
外から与えられた価値観に縛られ、
自由になりたいと思いつつ自ら不自由になっている自分が
滑稽で、可愛くみえました。

幸せにみえるように装ったり、
自分の欠点を見つけては「ダメなやつだ」自分にレッテルを貼ったり
自分を落ち込ませるようなことばかりしてきたなと。

自分を愛せているか、
大切にできているかまたこの文章を読み返したいと思います。

子供がいたって、病気があったって私は自由である!
そんな勇気をこの本からもらいました。
また後ろ向きになったとき、この本を読みたいです。

そして『ピンヒールははかない』を読んだ方と、読書会がしたい。
友達にも勧めて、じっくりZoom女子会もいいな。
これからもめちゃめちゃ嬉しいことも、死ぬほど傷つくことも
あると思います。
けれど、一瞬一瞬を堪能したい!
そう思わせてくれる本に出会えました。