第4話


「稲原さん、僕が言うよ?」

「あ、はい・・・」

突然入ってきた男性と女性が会話をかわす。風梨は声や態度のひょうきんさに、少し顔をしかめる。

「こんにちはー、ADYホールで働いている中野口です。実は明日、大江田小学校5年生がADYホールで劇をやるんです。でも最近は不審者の出没が多いと聞いていてですね~」

「・・・それは、私たちに見張りをしろ、ということですか?」

「ええ!では明日は9時開場なので、すぐに来てくださいね!」

そう言い、「稲原さん、行こう」と、女性に声をかけて出て行く。

女性は少しためらうそぶりをしたが、ついていった。

「え・・・ちょ、待って・・・・、詳細を・・・」

風梨が急いで呼び止めたときは、もうドアが閉まっていた。

「っち!あいつ何様のつもりだよ!??」

黒羽は舌打ちをして、壁を殴る。

警部は何かを考えているようだった。

「どうしたんですか、警部?」

警部はとても深刻そうな表情でいった。

「深夜アニメ録画してたのに、見てなかった・・・」

「警部、1回死んでください」

「えっ!?」

「とりあえず指示出してくださいよ、指示」

警部は少し首をひねった。ぽきっ、と聞こえたのは、スルーしておこう。

「じゃあ・・・、ADYで過去に起きた事件とか調べて」

「はーい」

風梨は2階にあるパソコンを取りに行く。それを見た警部は、苦虫をかみつぶしたような顔をしてる黒羽に言う。

「じゃあ黒羽はここらの不審者出没についてを・・・」

「ちょいと待て!僕はあのうっざい男の身元などを調べる!!!」

黒羽はそういって、走って家を飛び出す。

「え、黒羽・・・!??待っ・・・」

親父の声を遠くに聞きながら、黒羽は携帯を取り出す。

「・・・由利?聞きたいことが・・・」


黒羽が家を出た後、警部は小さくため息をついた。

「不審者は私が調べないといけないな・・・」



つづく