コロナ発症4日目。

宿泊療養1日目。

 

ホテルに着いて備え付けの電話が鳴った。

出てきたのはたんとの看護師さん。

宿泊療養に伴い注意事項があるとのこと。

 

まず基本的には部屋で待機。

まぁそれはそうだ。

外出できてしまったら他者への感染リスクが上がるし。

想定外だったのは窓の開閉禁止であるということ。

えっ、換気できないの?

言われてみれば窓の開閉がダメなホテルもあるかぁ。

空気感染のリスクもゼロではないし。

8階の部屋だし落ちたらマズい。

 

次に清掃については自身で行わなければならないとのこと。

これも分かる。

部屋から出られないし掃除してくださる方の感染リスクも減らさなければいけないからね。

でも洗濯機がない。

えっ。

衣服やタオルも手洗い?

マジか。

小学生の家庭科の授業でしかやったことないぞ。

 

そして何より辛いのがタバコだ。

部屋だけでなく施設内全面禁煙。

喫煙所もない。

退所まで禁煙確定。

詰んだ。

数箱持ってきているタバコがタダの荷物と化した。

 

舐めてた。

小旅行感覚でいたらマジで監禁だった。

何が「王様のブランチで見ました」だ。

「プリズンブレイクで見ました」が正解だったわ。

 

療養生活2日目。

 

毎朝8時に電話が鳴る。

「健康状態チェックです。名前と生年月日、体温、酸素飽和度を教えてください」と言われ黙々と答える。

回答が終わったら至福の二度寝の始まり。

 

再び起きるのはお昼3時。

配給される弁当を食べる。

部屋にいる間はずっとYouTubeを観ていた。

マジでそれしかない。

誰かと会話を試みるも生身の人を誰も見かけない。

これがしばらく続くのかと改めて落ち込んだ。

 

療養生活3日目。

 

ワザップで「ホテル 禁煙 裏ワザ」で調べるも検索結果0件。

マジでみんなどうしてるんだろう。

自分がタバコ吸わないでここまで耐えられているのはすごい。

 

自宅からPCを持ってきてなかったためラジオには出れず。

夜食として持ち込んだカップ麺を頬張りながら客観的に過去のアーカイブを聴き直す。

きのこは大卒です。

 

療養生活4日目。

 

久々に友人達とグループ通話をした。

元カノから彼氏が出来たことを報告されて体調が悪くなる。

何故僕じゃなかったのかと考えてさらに体調が悪くなる。

子育てに励んでいる別の子からは愚痴を聞かされてもっと体調が悪くなる。

マジで彼女ほしいな。

憂鬱になりつつも知り合いの声を聞けて素直に嬉しかった。

 

療養生活5日目。

 

Twitterに入り浸る。

高校も大学も音垢もネタツイ垢も全て詰め込んだアカウントであるため自分のツイートを見直す。

2013年から見直すと「!」も使ってたし2014年には謎の擬音を多用していた。

恥ずかしくなって不要なツイートや個人情報バリバリのツイートを削除していくと5000ツイート減った。

黒歴史とはこういうことか。

覚えのある方々は早めに対処を。

 

療養生活6日目。

 

高校、大学のときにハマっていたバナナマンの動画を一日中眺める。

就活のときに「尊敬する人は?」という質問に「バナナマンの設楽さんです」と回答するくらい好きだったしマッシュヘアーだったのも日村さんが大好きだったからだ。

いつの間にかVtuberにどっぷり浸かっていたのでコントや漫才を漁る機会もかなり減っていた。

相変わらず芸術的だ。

 

療養生活7日目。

 

ジョー力一の3周年記念配信を観ることがこの日のモチベーションとなっていた。

例えば今「尊敬する人は?」と問われれば「ジョー力一さんです」と回答するだろう。

力一さんといい設楽さんといい頭の良い人がとにかく好みなのだろう。

 

だからかもしれない。

銀兵衛の漫才が大好きだ。

テレビに出てた。

初めて観た。

ワードセンスが癖に刺さる。

概念ってさぁ、ダセェよなぁ。

 

療養生活8日目。

 

療養生活に入り初めて赤の他人と対面した。

弁当を貰いに行くエレベーター。

「何階ですか?」

「8階です」

たったこれだけだが人がいることに安堵した。

 

爪切りがないことに気づく。

何故か美顔ローラーを持ってきていることに気づく。

衣類の手洗いが上達していることに気づく。

昼夜逆転が改善しないことに気づく。

明日このホテルを出ることに気づく。

 

療養生活9日目。

 

毎朝電話する看護師から「お大事になさってください」と言われ部屋を出る。

あぁ。

ようやく終わった。

 

施設を出てまずやったことは喫煙所探し。

一週間以上ぶりのタバコに口をつけ強烈なヤニクラが僕を襲う。

視界に入った餃子の王将で大盛りチャーハンを貪る。

生きてる。

 

コロナにかかってよかったことは誰にも邪魔されないことだった。

普段の生活で一人でいる時間を作ることはなかなか難しい。

コロナにかかって嫌だったことは一人でいる時間が長すぎたこと。

誰にも邪魔されない寂しさ。

 

あと本当に周りの人に迷惑かける。

自分一人から生まれる損失。

想像以上にエグいぞ。

皆様も体調管理気をつけてください。

私は徹夜で麻雀打ってきます。

 

 

コロナかかっても面白い文章は書けませんでした。

マスクしたまま鼻で笑ってください。