コロナ発症0日目。

 

何もない日だった。

普通に出勤したし何事もなく仕事を終えたしタバコもいつも通り一箱吸った。

最近ハマってるフレンチクルーラーを2,3個買ったくらい。

 

明日を乗り越えれば珍しく2連休だ。

一日研修担当だし普段より楽に終わるだろう。

日頃よりもポジティブな気持ちで寝床に着いた。

 

コロナ発症1日目。

 

目が覚めたのは早朝5時。

 

異常に寝付きが悪かった。

強い浮遊感と時期外れの鼻詰まりが僕を襲った。

寝たら治る、そう信じて頑張って眠りにつく。

 

再び起床した際、上記の症状の改善はなし。

加えてこれまで感じたことない倦怠感が纏わりつく。

「あ、終わったわ」とその時点で感じていた。

検温したところ40℃。

遺書を書く準備をしなければ。

 

その場にいた父親に報告をすると簡易PCR検査キットを渡された。

唾液を使って陽性か陰性か確認できる。

結果は陽性。

会社に検査結果を含め欠勤をする旨を伝え了承を得た。

 

とりあえず会社を休むことに成功した。

ただ休んだとて何をすればいいのかわからなかった。

とりあえずちゃんとした検査を受けなければ。

県の感染症対策センター的なところに連絡して検査ができる病院を紹介してもらう。

紹介してもらった病院に時間をおいて何度かかけ直し明日の午後に予約を取ることに成功。

とりあえず今日は自宅で療養を行うよう指示をいただいた。

 

家でじっとしていても症状は治らなかった。

発熱、頭痛、鼻詰まり、倦怠感、大量の汗。

ご飯も喉を通らない。

寝ようとしても暑いのか寒いのかよくわからない。

耳元でYouTubeを流すと鬱陶しく、かと言って音が何もないと眠れなくなる。

「自律神経がぶっ壊れる」という感覚をヒシヒシと感じた。

 

コロナ発症2日目。

 

1日目に比べると体調は比較的マシになった。

37.6℃。

雑炊やうどんなどやわやわご飯は喉を通る。

しかし身体がぶっ壊れてる感覚はまだ残っている。

 

倦怠感を堪えて病院へ。

そんなに遠くはないため病院までは徒歩。

酔ってんのか?ってくらいフラフラする。

病院に到着すればこちらも事務的。

パパっと検査を終わらせ「結果が出るまでお待ち下さい」と言われ帰宅。

 

こういう時我慢しなければならないはずのタバコを吸ってみた。

喫煙者は怖いものですねぇ。

ニコチン注入しなければという考えが先行してしまう。

タバコに火をつけ一服するも肺まで毒煙を送り込めない。

ヤニクラも酷く1本でも十分だった。

 

この日テンション上がったのはPeople1の新曲聴けたこと。

あとはジョー・力一の初ソロ歌ってみたが上がったこと。

本当だったら発情期のサルのような喜び方をしたかったがそこまでの元気はなかった。

 

コロナ発症3日目。

 

「結果発表〜!!!」

病院の浜ちゃんから連絡があり正式に陽性であることを伝えられた。

ここ1,2週間で会った人に連絡を取り謝罪。

加えて検査したほうがいいかもという旨も伝えた。

ありがたいことに「お大事に」の言葉を多くいただいた。

 

陽性であることはすぐに自治体に伝わったのだろう。

見知らぬ番号から電話が複数回かかってきた。

電話に出れば台本読んでるんですか?と思うくらい単調に、小難しい話を淡々と聞かされ、僕はハイハイと頷くくらいしかなかった。

とある電話で自宅療養と宿泊療養のどちらを希望するか訊ねられた際には即答で宿泊療養を希望した。

手配に時間がかかったものの明日から施設へ入ることとなった。

 

コロナ発症4日目。

 

頭痛等も治り、残る症状は鼻。

鼻の奥に膿が溜まってる感じがするが鼻炎持ちなので慣れている。

 

起きたら宿泊施設への輸送車が迎えに来てくれていた。

見た目は本当に普通で街中で見かけるちょっと大きめの車。

荷物を纏めて乗り込むと中はビニールシートまみれ。

久々の外の景色を眺めつつ数十分車に揺られホテルに着いた。

 

ホテルに到着したら「王様のブランチで見ました」なんてボケを言ってやろうと気合いを入れていたが最初に出会ったのはロボットだった。

「こんにちは、封筒を持ってエレベーターに乗ってください」とだけ言われ指示に従う。

とりあえず一敗。

 

部屋に入ると普通のホテル。

シングルベッドとデスク、ユニットバスがある。

ここで一週間ほど療養することになるのかと正直ワクワクしていた。

 

小旅行気分はすぐに絶望に変わる。

それは部屋に備え付けてある電話が鳴った時。

 

 

 

次回、宿泊療養編。

えっ、続くんですか?