今回は、新型コロナウイルスとの関わりも含めた“ポリアモリーとシェアハウス暮らし”について、コロナ禍当時の私が考えていたことをまとめてみたいと思います。

私はコロナ禍の頃、新型コロナウイルスの影響で休業したホステルを、シェアハウスとして再オープンしようというクラウドファンディング「【ウィズコロナへ舵切】都心一棟ホテルKIKKAをシェアハウスに! #暮らすホテル」のプロジェクトに参加していました。

私の理想の暮らし方のひとつに「マルチハビテーション」というものがあります。

マルチハビテーションとは、「multi(多くの・多様な)」と「habitation(住居)」を組み合わせた造語で、簡単にいえば多拠点生活のこと。

「平日と週末」「都心と郊外」「国内と海外」など、複数の居住空間を行き来しながら生活するというライフスタイルを意味します。

私は日帰りなどの短いものも含めて旅が好きだし、そのためにも拠点はたくさん欲しい。

恋人とも一緒に住みたい、でも“二人っきり暮らし”はしんどい。

だから恋人とシェアハウスに住んで、複数のシェアハウスを拠点として行き来するような生活をしたいのです。

ちなみに以前は恋人と同じシェアハウスに住んでいましたが、今後もし他にも恋人ができたら、その人ともシェアハウス住まいをしたい、と思っています。

ポリアモリーの人達と話していると、シェアハウスに住んでいる人、シェアハウスに興味がある人って多いなぁと感じます。

何かをシェアしたいとか、何かを独占したくない・所有したくない、という人が多いのかも。

基本的には、複数人で暮らすことには多くのメリットがあると思っています。

お互い病気になった時に助け合える、というのもそのひとつ。

しかしコロナ禍においては、シェアハウス暮らしはリスクが高いのでは?という声が聞かれました。

実際、感染を恐れてシェアハウスを出る人が増えている…といったニュースも見かけたことはあります。

もちろんシェアハウスの多くでは、新型コロナウイルスの感染リスクを下げるためにできる限りの対策がとられていました。

一般社団法人日本シェアハウス連盟は、物件の安全確保対策として「建物の換気」「訪問者の削減」「アルコール消毒液の用意」「トイレットペーパーの備蓄」などを呼び掛け、入居者に対してうがい、手洗い、アルコール消毒、マスク着用、友人らの訪問自粛などを盛り込んだシェアハウスの運営ガイドラインを策定しました。

コロナ禍当時、私の住んでいた神奈川のシェアハウスでは、手洗い・うがいを小まめにすることや、キッチンやリビングなどの共用部を複数人で長時間利用せずできるだけ各自の個室で過ごすこと、ハウス全体の換気をよくすることなどがルールとして周知されていました。

とはいえ、シェアハウス暮らしは一人暮らしより感染リスクが高いのは事実。

こういったパンデミックがまた起こった時、私はそれでもシェアハウスに住み続けたいか…?と、改めて考えました。

私が大切にしたいのは、恋人も含めて他人と暮らせること、出ていきやすく入ってきやすい暮らしであること。

つまり、“シェアハウス好きなポリアモリー”の私が自分の生活に求めているのは、「変化」や「多様性」なのだと思います。

同じ場所で同じ人と暮らして同じ毎日を繰り返すような生活ではなく、住む場所も一緒に暮らす人も折々に移り変わってゆく、流動的で何が起こるか分からないような生活。そういうものにワクワクするのです。

そうやって、ポリアモリーとして生きることも、シェアハウスに暮らすことも、多拠点生活をすることも、別の言い方をすれば、不安定でハイリスクなものかもしれません(特にパンデミックの状況においては)。

結局、生活に変化を望むということは、生活の不安定さやある種のリスクも受け入れるということと、表裏一体なのかもしれないと思いました。

そう考えてみると、またパンデミックが起こったとしても、私はやはりシェアハウスに住みたいという気持ちは変わりません。

特に、今のところは法的に結婚もせず子供も産まないつもりだし、「老後に配偶者や子供に面倒を見てもらう」というライフスタイルも廃れてゆくと思っているので、年を取ったら皆で暮らしたいね、と友人たちとよく語り合っています。

今は人の運営するシェアハウスに住んでいるけれど、いつか、自分の運営するシェアハウスに自分と好きな人たちとで暮らしたい。

シェアハウスという名前でなくても、夫婦や親子という肩書きでなくても、「大切な人達と助け合って暮らす」、という形態でずっと生きていきたいと思っています。