突然ですが私の夢は「恋人の数だけシェアハウスに住む」ことです。
ちょっとカッコつけて言えば、マルチハビテーションってやつですね。
マルチハビテーションって何?という人もいるかもしれませんが、つまりは多拠点生活のことです。
「multi(多くの・多様な)」と「habitation(住居)」を組み合わせた造語で、「平日と週末」「都心と郊外」「国内と海外」など、複数の居住空間を行き来しながら生活するというライフスタイルを意味します。
たとえば平日は都心のマンションで、週末は郊外のセカンドハウスで暮らすといったかたちです。
ただ、居場所は増やしたいけれど、たくさんの居場所を所有したい、というわけではありません。
前に勤めていた会社の先輩や同期は「そろそろマイホームを……」と言っていたけれど、私自身は、昔から家や土地や車を所有することにあまり興味がありません。
むしろ、物を持つことってめんどくさいなー、とすら感じてしまうことがあります。
そもそも私は「所有」という概念そのものがあまり好きではないみたいです。
何かを所有したところで、それが私にとって必要な物であり続けるとは限らないし、たとえ必要であっても、世の中にはもっと良い物がどんどん出てきます。
そういう時に、何かをすでに所有しているということが枷のように感じられる時があります。
所有していることで、逆にそれに捉われているような気持ちになるのです。
必要な物は、ずっと自分の手元に置いておくのではなく、必要な時に必要な分だけ必要な形で利用したい。
私にとっては、その際たるものが「住まい」なのかも知れません。
そして、もしかしたら「パートナーシップ」も。
身ひとつで気ままに放浪したい、根無し草生活がしたい、という漠然とした憧れが昔からあります。
ひとところに根を張らず、興味の向く方向へいつでも走りだせるような自由さを自らに約束して生きていたいのです。
そんな放浪生活への第一歩として、今は住まいを一箇所に定めない生活をしています。
「私だけの家」ではない、必要な時に必要な形で過ごせる場所がいくつかほしい、と思っています。
そこで検討しているのが、シェアハウス×複数、というわけです。
シェアハウスをはじめ、Airbnbの民泊サービスやUberのライドシェアなど、シェアリングエコノミーという概念はここ数年でずいぶん浸透してきた感があります。
シェアハウスによくある、食材を共同で購入したり、知識やスキルのある人に買い物や調理を代行してもらったり、といったやり方はまさしくシェアリングエコノミーの一形態といえるでしょう。
そして、シェアハウスという住まい方は、ポリアモリーと親和性が高いのではないかと感じています。
実体験からいっても、私の知るポリアモリー当事者には、シェアハウスやルームシェアで暮らしている人、あるいは暮らしたいという人が大勢いるのです。
そんな風にシェアハウスで暮らしつつ、以前「長屋ジャック」で共同保育をおこなっているシングルマザー・櫨畑はじはた敦子さんのトークイベント「わたしたちが「血縁家族でない人たちと」「共同で保育しようとすること」の実践と記録」に参加しました。
長屋ジャックとは何かというと、長屋の各部屋を櫨畑さんとその知り合いでそれぞれ借りて、仲間内で“ジャック”してしまうのです。
その長屋のうちの一軒をキッチン兼リビングとしてシェアしていて、集まって料理をしたり(調味料なども共有です)ごはんを食べたりしながら、皆で彼女のお子さんを共同保育しています。
その様子をお聞きするなかで、家事や育児の役割分担として「大臣制」を敷いているという話がとても印象的でした。
一緒に住む仲間それぞれの得意なことに合わせて、おふろ大臣、洗濯大臣、ごはん大臣などを務めてもらうのです(役割は任命制ではなく、立候補制です)。
そして、その人の大臣としての仕事に櫨畑さんは口を出さない。
彼女が「やらせる」のではなく、各自が善意と責任感から大臣としての職務をまっとうして櫨畑さんを助けてくれている、と彼女は語ってくれました。
この、皆で一緒に暮らして一緒に子育てする、という生き方は、ポリアモリーの人たちの間でよく語られる理想の生活とも通じる部分が多いと感じました。
私の場合、育児は今年すぐとはいかないけれど、それぞれの恋人と一緒に日々を過ごしたい、という気持ちはあります。
けれど、二人きりの家をいくつも持ちたいわけではない。
なので「恋人の数だけシェアハウスに住む」だったらいろんな人とも交流できるし、面白いかも!と考えています。
彼氏とはこちらのシェアハウス、彼女とはあちらのシェアハウス。
私の居場所だけれど、私の所有物ではない住まいと恋人達。
そんなことを考えながら、目下、拠点にできるシェアハウスを増やしているところです。
オススメのシェアハウスがあったら、ぜひ教えてくださいね!