今回は、
ポリアモリーは「モテる人」なのか?ということについて、
考えてみたいと思います。
ポリアモリーであることをオープンにしていると
「ポリアモリーの人たちは、美男美女でモテる人たちばかりなんでしょ?」
という意見をいただくことがあります。
さらには
「ポリアモリーがまかり通ってしまったら、美男美女でモテる恋愛強者ばかりがハーレムをつくって、非モテの恋愛弱者はますます恋人ができなくなるじゃないか!」
あるいは
「きのコはブスのくせに、ポリアモリーだなんてけしからん!」
というクレーム(?)を受けたことも。
まず私個人の所感としては、
ポリアモリー当事者が
「美男美女でモテる人たちばかり」
だとは思いません。
そもそも誰かを好きになるのに、
ブスも美人も関係ない…というより、
好きになるのにどんな資格も必要ないはずです。
「ブスが恋するなんておこがましい」
とか
「ただしイケメンに限る」
というような価値観は、
ポリアモリーであるかモノガミーであるかに関わらず、
いろいろな人を生きづらくすると思います。
自分自身の好きや嫌いの気持ちについて、
他人からその正否や善悪を評価される必要はありません。
(なお「ポリアモリーによって非モテの人はますます恋人ができなくなる」という意見に対しては、「ポリアモリーによって恋人は1人だけが『独占』するものという考え方が薄まる分、恋愛のチャンスが広がる!」という逆の意見も多いので、なんともいえないところです…)
私自身は、
ポリアモリー当事者であることと関係あるかどうかは分かりませんが、
幸いにして人間関係に恵まれ、
たくさんの素敵な人たちと仲良く過ごせていると感じています。
しかしそこから恋愛関係になり、
そのうえ恋人関係にまでなるというと、
そんなに
「勝ちまくり!モテまくり!」
な恋愛生活を送っているわけではありません。
中には7人も8人も恋人がいるようなポリアモリー当事者もいますが、
一体何をどうすればそんなにモテるの!?
どうやってそんなにたくさんの恋人と付き合うの!?
と個人的には驚きを隠せません。
一人きりで過ごす時間とか、
ほしいと思わないのかな…
などと要らない心配をしてしまいます。
私は自分自身のことをわりと「惚れっぽい」人間だと思っています。
実際私はいま恋人たちに加えて、
幾人かに片想いをしていますが
(恋人たちも、私に他の好きな人がいることは知っています。むしろ、私の恋愛相談にいちばん親身になって耳を傾けてくれるのが恋人たちなのです)、
中には取り付く島がないような相手もいるし、
けんもほろろに振られて恋人の前でめそめそ泣いたり、
あるいは昔の恋への未練でしょんぼりしたり、
という苦い想いをすることも珍しくありません。
誰かに好意をもっても、
相手がポリアモリーである私のことを受け入れられないだろうと感じたり、
これ以上たくさんの恋人がいると1人ひとりを大切にしきれないと思ったりして、
片想いを片想いのまま胸にしまうこともあります。
私にとっては、
好意は相手1人ひとりに対する違う種類の気持ちなので、
「Aさんに失恋してもBさんがいるから平気」
というようなかたちで誰かに失恋した傷を他の誰かで埋め合わせることはできないのです
(もちろん、私が失恋した時に優しく励ましてくれる恋人たちには、大いに慰められていますが…)。
前述のとおり、
ポリアモリー当事者が美男美女ばかりだとは、
私は思っていません。
ただ、
ポリアモリーとして生きることに真正面から向き合い、
恋愛関係における恋人たちとの合意を真摯に目指す人々を、
魅力的だと感じることは事実です。
安定してポリアモリーな関係性を維持している人たちには、
自分の思いを言葉にしたり相手の話を理解したりするコミュニケーション能力が高く、
相手のことも自分のことも大切にできる人が多いので、
そういった人が好意を寄せられやすいことにもうなずけます。
外見や履歴書的なスペックだけの話ではなく、
(ポリアモリーであってもモノガミーであっても)
そういった人間性をもつ人はやはり「モテる」のではないかな、
と思います。