今回はポリアモリーにとっての「結婚」や「子供」について、

考えていきたいと思います。
 

まずは「結婚」のこと。

結論からいうと、

私は少なくとも今は結婚するつもりはありません。

ポリアモリー当事者としては、

現状の日本の婚姻制度は使いづらい、

と感じているのが正直なところです。

どれだけ恋人たち全員を公平に愛し大切にしていても、

複数人と同時に結婚できるわけではないし、

異性としか結婚できない制度であるところも不便だと思っています。

婚姻制度としての「複数婚(ポリガミー)」については、

古くは中東各国の「一夫多妻制(ポリジニー)」、

インドやチベットの一部における慣習「一妻多夫制(ポリアンドリー)」などとともに、

最近ではフランスやブラジルの「三人婚」といった例もあります。

同性同士での結婚、

いわゆる「同性婚」については、

LGBTの権利として日本を含め世界中で法整備が進められていますし、

いつかは同じようなかたちで「複数婚」の流れがくるのかもしれません。

それから結婚以上に難しいと個人的に思っているのが「子供」に関することです。 

ポリアモリーであることについて話していると、

「子供はどうするの?」

とよく訊かれます。 

私自身は子供については、

「恋人たちと一緒に子育てしたい」

というスタンスです。
 

恋人たちさえ合意してくれるなら、

恋人たち全員と一緒に子育てができれば理想的だなぁと思います。

ポリアモリーとして子供をもつことについて考える中で、

他の「子供のいるポリアモリー」当事者がどのように考えどのように暮らしているか、

いつも興味いっぱいです。

ポリファミリーの方のブログ[※]を読んでいると、

素敵だなぁと憧れたり、

大変だなぁと唸ったり、

いろんなことを考えさせられます。
※「いやさかファミリー」旦那さん1人、奥さん2人、子供5人のポリファミリー

とはいえ昔は、

どうしても子供が欲しい

(というより、子供を産まないかぎり、自分には女として・人間としての価値がない)

と思い込んでいた時期もありましたが、

年齢を重ねるにつれて、

結婚や出産ばかりが幸せや価値ではない、

というように考え方の幅が広がってきたような気がします。

子供のいる人生にも、

いない人生にも、

それぞれに違う素晴らしさがあるだろうし、

どちらの人生になってもきっと豊かに過ごすことができるのではないでしょうか。

ネットで

「ポリアモリーを親にもった子供は可哀想」

「ポリアモリーは結婚するべきではない・子供をつくるべきではない」

という意見をもらうこともあります

(これはポリアモリーだけでなく、障害者やLGBTもよく言われていることです)。

「他人と違う親・他人と違う家庭に生まれた子供は世間から差別されるから可哀想」

という考え方は、

「世間と違う人間は差別されるもの」

という価値観がもとになっているので、

その意見に悪意がなかったとしてもそれ自体が

「差別を再生産する基盤」

になってしまうものだと私は思います。

ポリアモリー当事者やその子供が

「差別されて可哀想」

だと思うのであれば、

まず問題にされるのはその差別意識であって、

差別される側が

「差別されないように予防する」

ことは、

差別そのものを本質的になくすことにはならないのではないでしょうか。