どこで見たか、読んだかすぐに忘れちゃうから記しておこう。


 内田樹(うちだ たつる)さん

 (私はこれを読んで初めて知ったけど

たくさん著書もある有名な方みたい。)

 

 この方の「勇気論」という本からの一部抜粋で学校教育で最も大切なことという記事だった。


 学校や周りの大人からは

 「大きな声ではっきりと自分の思いを伝えてみよう」と言われ、それが出来ると褒められることが多いと


 だけどこの方は真逆の「本当の気持ちを自分の声で伝えようとする時は、言い淀み、口ごもり、言い換えたり同じことを何度も繰り返して言ったり、時々黙り込んだりしながら言うもんだ。そして本音であれば小さな声になる。

 それを子供に許してやらないと本当の気持ちを言える子が育たない。」


 いやぁ、めちゃくちゃ納得しましたし、反省しました。

 私も我が子に「はっきり言いなさい。」と何度言ってきたことか。


 大人って勝手だよなぁ。

 自分だって本当の気持ちや伝えたいことをカンペもなしで、大きな声ではっきりと言えないくせに、自分よりはるかに言葉や知ってる言い回しの数が少ない子供にちゃんと伝わるように言いなさい!って要求するんだもんな。


 それでそれが出来る子を褒めるし、感心する。


 けど、この方が言うに、その子供が大きな声ではっきり口に出している言葉は「誰かの受け売り」だと。

 教師や親や好きなユーチューバーが自信ありげに断定的に語ったようなことを再生しているだけのことが多いと。


 そういえば、長女の同級生の女の子にいかにも優等生な子がいて、小学生の時に授業参観に行くと必ず真っ先にまっすぐに手を挙げてハキハキと発言するんだけど、それこそ大きな声ではっきりと。

 だけど、その答えはまさに大人が聞いて喜ぶ、誰が聞いても非の打ち所がない正しい「どこかで聞いたことのある」言葉だった。

 子供の頃、まして小学生の頃わたしそんなこと本音で一ミリも思ったことも考えたこともなかったよな〜と、すごく違和感を持ったし、


 なんか間違ってないんだけど…なーんか腑に落ちない、なーんかモヤモヤするー

と思いながら聞いてたなぁ。

 

 さらに怖いことにそれを大きな声ではっきりと自分の口で言ってしまうと、それが「自分の意見」だと思い込んでしまうんだそうだ。

 それが誰かの受け売りで本音じゃなかったとしても。

 

 そして正直さを失っていく。世間に対してだけじゃなく自分に対しても…


 なるほど。だから、時々自分が分からなくなる。

 自分が考えたこと(と思い込んだもの)を言ううちに、本当の自分は何を欲していて、何をしたくて、どうなりたいのか?が分からなくなってきて、世間が良しとするものに自らはまっていくけど、そのうち息苦しくなったり。


 その時にまた誰かに「自分に正直になれ」って言われても…


 子供には、間違ってもいい、時間がかかってもいいから自分で考えたことを伝えたい時に伝えてねと言えるように。それを大人の言葉で訂正も要約もせずにちゃんと最後まで聞くことをしないとな〜。