メーカーなどの商品としての住宅は価格が決まっていて、見積と言ってもオプションがあるかないかのおおざっぱな価格です。
設計事務所が設計する場合は細かい見積が必要です。
見積は実際に使用する材料や仕事の数量を拾い出して、集計する「積算」(せきさん)という仕事と、その数量や仕事の単価がいくらかを調べたり、専門工事業者に問い合わせをする「値入」(ねいれ)という仕事に分かれます。
この積算が実は一苦労です。
たくさんの図面から、約20職種ほどある基礎や大工、木材などの専門工事毎に数量を拾い出すのです。
集計用紙に材料の種類と数量を拾い出して、同じ種類ごとに集計します。
その元となる図面に様々な線を引いたり、囲みを作りながら、個数、線の長さ、面積などを拾い出します。
仕事をしながら、忘れないように記録しながら、まとめていく根気の入る仕事です。
ここで、性格の向き、不向きが出ます
最近は設計CAD(キャド)ソフトで拾うこともできますが、基本は変わりません。
こうして積算した数量に、各専門工事業者からの単価を値入したり、まとめて値入を依頼して見積書を取ることで工事原価が確定します。
とても地味ですが、とても重要な仕事です。
よく言われている設計事務所が複数の工務店に見積を依頼する「合い見積もり」方式が必要と言われますが、どうもそのような方式が住宅レベルの工事では限界があることは指摘されていません。
それは次回にご説明いたします。
原則は数量積算です