「自然エネルギーでは電力の中核にはなり得ない」
「風力発電は羽の回転騒音、故障時のメンテナンス費用高い、景観を壊す」
「地熱発電は温泉の枯渇、地殻変動を招く」
「太陽光発電は生産時のエネルギー量が多く、山手線内をすべてパネルにしないと供給能力としては厳しい」
などなど、自然エネルギーの将来にネガティブな指摘も多く見受けられます。
確かに、そうした指摘は現在のところ認めざるを得ないかもしれません。
一方で、シュールガス、液化天然ガス、メタンガスを含んだメタンハイドレートなどのガスタービン発電での利用が、効率性、有害物質が少ない(CO2は出ますが)、埋蔵量からまだまだ展望があるなどともいわれています。
そんな中で、塗料のように塗ることで太陽電池になる「塗装型太陽電池」とも呼べる物質を三菱化学が開発しました。
現在の太陽電池は石英から抽出したシリコンをベースにした単結晶、非結晶シリコン系と非シリコンの化合物系がほとんどです。
塗装型太陽電池は炭素化合物系で、塗装して乾くと半導体の役割を果たし、配線すると光を電気に変換種機能を持つ物です。
太陽光から電気への変換効率が10%を越えたことで実用化の目処が立ったとのことです。
塗装型となることでのメリットですが
・曲面の屋根や自動車など様々な物に塗装が可能
・場合によっては曲がる物にも可能(衣服、ロール化できる布など)
・重さが軽い(結晶シリコン系の10分の1以下)
・価格低下が見込める
今後はさらなる変換効率の向上と量産化による低価格化が進んでいくと、さらなる普及が見込まれそうです。
2013年頃から自動車や住宅・建築建材をはじめとして登場しそうです。
現実の電力供給への責務の遂行と同時に、電力のスマートグリッドの整備=電力の双方向需要制御システムと蓄電池の普及が実現し、このような日本の新しい技術開発と普及が進むと、これからの世界がガラッと変わることになるかもしれませんね。
このほかにも酸水素ガスや摩擦抵抗のない発電機など、技術のプラス面で原発事故のマイナス面を乗り越えていきたいものです。
緩やかな自然エネルギーへの移行に期待します