木の家づくりネットワークがご提案する木の家の安心構造の一つに「パワーベース 」があります。
その基本は、基礎の厚みがすべて15センチ、シングル又はダブル配筋の鉄筋によるベタ基礎、基礎全体が一回のコンクリート打ちによる一体打ちコンクリート、設計強度30ニュートン以上、水セメント比50%以下、スランプ18センチ以下などの設計仕様に基いて適正に監理されたものであることとしています。
その中でも、コンクリートの強度は基本です。
それを工事中に確認することが施工管理、設計監理上重要です。
コンクリートの強度を指示するのはコンクリート配合計画表ですが、実際にその強度を確認するのは「強度試験」です。
コンクリートを実際に打ち込むときにテストピースサンプルを6個作っておきます。
そのうち三本を打設後7日後に、残りの三本を28日後に実際に圧縮破壊して、コンクリートの圧縮強度試験を行ないます。
写真の左側の機械に乗せられた三本のピースのうち中央のピースが試験されています。
結果は三本の平均で26.7ニュートン/mm2です。
4週間(28日)で最終強度になりますので、一週目でこのデータは問題ありません。
一週強度で約70%の強度発現がありますので、想定では4週強度は36ニュートン以上になると思われます。
この強度を確認して、上棟、木組みの工事に入ります。
また、基礎に使われる鉄筋も品質の確認が必要になります。
一時期は海外からの安い価格の低品質の鉄筋が出回った事もありました。
鉄筋の検査をしたことを証明する書類がミルシートです。
鉄筋は引張り力が強いことで、コンクリートの圧縮力と一つになって構造強度を発揮するものです。
引張試験により引きちぎれる強度=降伏点や引張強さ、その伸び量、曲げたときの耐力=曲げ耐力、そして化学元素成分の含有量などを調べた結果が表示されています。
このような品質の監理、確認がきちんとされることで、長い間にわたっての設計強度が確保され、不意におとづれる地震に耐えうる基礎になります。