2)上棟式マニュアル | 木の家散歩

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木の家の設計監理経験豊かな建築家・山中文彦と木材産地、職人技術者のネットワークにより、夢の木の家を造る「木の家づくりネットワーク」のブログです。自然素材を活用し、家族と環境に優しい、本物の木の家をCM型施工管理システムによるリーズナブルコストで実現します。

木の家の工程の中でもっとも盛り上がるイベントが上棟式です。


木の家の木組みが匠大工のてきぱきとした段取りときびきびとした動きのもと、土台から一番上の棟木まで徐々に組まれていく風景は、まさに木組みの木の家の文化を言葉も必要なく表してくれます。


約4日間ほどで、5~6人の匠大工によって屋根下地まで葺かれます。


棟上げと言われるごとく、一番高い梁=棟木が上がればホット一息と言ったところです。


昔はレッカーなどの重機がありませんでしたから、棟上は大工はもちろん、鳶、そのほかの職人や施主の家族、近隣のコミュニティ総出で、棟梁の指揮の下、人力を結集して力仕事として繰り広げられました。


ですから棟が上がっ時は、集落、コミュニティ全体のお祝い事でした。


また、木の家が無事に完成することを祈ると同時に、火事にもあわずに末永く使われるように、住む家族、関わった関係者の健康を祈る儀式としての上棟式を行い、餅を撒き、炊き出しや持ち寄ったご馳走で遅くまで宴がも催されました。


今ではそのような地域ぐるみの上棟式は珍しくなりましたが、木の家づくりネットワークでは現代版として簡素化しながらも、上棟の喜びを分かち合うとともに、工事の無事安全な進行と家族、関係者の健康を願って、オリジナルなイベントとして行っています。


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家の中心に紅白幕は張られ祭壇が設けられ、米、塩、酒のほか、餅や魚、野菜、果物などが飾られ、施主家族を中心に参列して進行します。



上棟式式次第


開式の挨拶

1.祭場清めの儀
棟梁の塩ふりです。東、南、西、北の順に塩を散じます。
   

2.御供物捧げの儀
棟梁が一礼をおこないます。
その後、御神酒を開栓し神様に捧げます。

3.祝詞奏上
建築主様より上棟の祝詞を奏上いたします。


4.四方がための儀
東、南、西、北、中央の各々に米、塩、酒を三度散じます。
米を棟梁に、塩を建築主様に、酒を設計監理者に散じていただきます。


5.槌打ちの儀
棟梁が盤木を木槌で打ち、永代にわたって、
建築主様の御家族・ご親戚、工事関係者ならびにご参列者の皆様の
  御繁栄と御健康をお祈りいたします。

6.礼拝の儀
  棟梁が、東・南・西・北・祭壇に向かって一礼をおこないます。


7.御供物下げの儀
御神酒を皆様で頂戴します。
   
閉式の挨拶



このような上棟式は地域や設計、施工者によって様々な内容があります。


また、棟に飾るものとして、五色の旗と破魔矢を組み立てて飾ります。



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五色の旗は、東西南北と中心を色で表し、鏑矢(かぶらや)と蛙股矢(かえるまたや)は古代の中国のいわれにより、火事を防ぎ、魔を射るものとしての縁起物です。


式もお開きになると、思い思いに歓談し、記念撮影を行って、場合によっては直会(なおらい)が催されることもあります。


木材産地の金山では遅くまで、または二日がかりで宴が続くそうですえっ


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