建築工事の中で行われる儀礼の中で一番最初に行われるのが地鎮祭です。
現在の地鎮祭の歴史はさほど古いものではないようで、明治期以降に一般庶民が個別の敷地を構えて家を建てるようになって、神社と中心とした産土の神様の信仰が奨励されるにしたがって、神道形式の地鎮祭が多く見られるようになったようです。
土地の霊を鎮め、工事とその後の生活の安泰を祈って行われますが、企業などで宗教性を少なくする場合などは「起工式」と呼ばれることが多いですが、内容はあまり変わらないようです。
建て替えなどで、両親が一緒に住むような場合は、地鎮祭の神社とのお付き合いがあったりしますが、新しい土地や若い世代の場合はどのように進行するかが分からないことも多いと思います。
特に宗教性を意識しているわけではありませんが、いざ行う場合の段取りや手順などの一例をご紹介します。
●日時
建築主さんが出席しやすい週末の午前中が良いでしょう。
大安、仏滅を気にされる方は、仏滅と赤口で無い日程ぐらいで良いかと思われます。
●建築主さんがご用意頂くもの
1.尾頭付き魚 一尾~二尾
2.海藻など海産物 昆布、するめなど
3.お酒 五合(1本)
4.水 500mlペットボトル(1本)
5.米 三合
6.塩 三合
7.果物 季節のものを2~3種類
8.野菜 季節のものを2~3種類
9.御祈願料 特に決まっていませんが神社さんとご相談
●参加者
建築主さんの家族、親族
設計事務所、施工工事業者、職人など
●持参品
カメラ、ビデオなど
地鎮祭の式次第
進行は当日、神主さんから説明があり、ご神事は神主さんが進めてくださいます。
・修祓 斎場並びに参列者のお祓い。
・降神 地鎮祭の神々をお招きする。
・献饌 お供え物の献上。
・祝詞奏上 地鎮祭用の祝詞奏上。
・清祓いの儀 敷地の四方をお祓い清める。
・鍬入れの儀
■斎鎌で草刈の真似事を3回行う(設計者担当)
■斎鍬で鍬入れの仕草を3回行います(建築主さん担当)
■斎鋤で鋤を入れる真似を3回行います(施工者、職人担当)
・玉串奉奠 建築主を始め、参列者が玉串を奉納し「二礼、二拍手、一礼」で礼拝します。
・撤饌 地鎮祭のお供えものをお下げします。
・昇神 祭壇にお招きした神々をお送りします。
・神酒拝戴 御神酒を頂きます。
■玉串奉奠の作法・仕方
・神主さんから、お榊の葉先が左手に、元が右手になるように渡されますから、そのままで、神前に進んで一礼をします。
・玉串(お榊)の葉先を前方に向けてから、先を右に回し、元の方を神さまにに向けるように玉串案に供えます。そして一歩退き、二拝二拍手一拝の仕方で礼拝します。
また、この後に近隣の方に着工のご挨拶を行うことが多いです。
最後に記念撮影などをして、ざっくばらんに懇談しながらお開きとなります。
神社さんによっては、鎮物(しずめもの)を頂く場合がありますので、それは基礎工事業者が基礎工事の中で、基礎の下に埋めます。
あけたことがありませんので、中に何が入っているかは分かりません