依頼はお医者様ご夫妻。

  やはり残念ですが選択肢は…。

  お墓は既に墓じまいされたとの事。

  家屋解体。

  

 

  築150年。神に祈り、土地に誓ったあの頃。

  「ああ、そうそう、孫が出来た時爺さん、田圃から慌てて帰って来て

   そのまま泥も落とさず広間に上がってきたものだから

   ひどく倅に怒られていた事があったよあ。」

  「孫が大学入試の時、寒中寒さの中、一生懸命裏の井戸で

   水をかぶっていたことがあったなあ、受かります様と。」

 

   そんな会話が交わされたたであろう母屋。

   そんな家人の成長と安寧を見守ってこられた神々。

   

 

   今まさにその大任を遂げ地水火風空の大自然に

   帰入せんとする前。今年も庭には

   蝶々が舞っております。

   

 

   生々流転。一切は諸行無常。

   何れ更地になり、分譲が出来、また若夫婦が

   神に祈り土地に誓う日が来るのでしょう。

 

              <(_ _)>