「風俗博物館」2013年前期の展示より。
今回は、源氏物語「野分」の巻より、更衣の場面です。
野分は、夏の終わりに吹く台風のこと。更衣は、衣替えですね。
野分が通り過ぎて、「さあ寒くなるわよ」と、冬の装束の準備に追われているシーンです。
舞台は、夏の御殿。
たくさんの女房(奥仕えの女性)を使って、装束を誂えているのは、ここに住む光源氏の妻のひとり、花散里(はなちるさと)の御方です。
彼女は、華やかな女性が多い源氏物語の中では、ひと味違ったキャラの持ち主。
美人ではないですが控え目で性格が良い、癒し系と言えるような女性として描かれています。
そういう事で、物語での出番は少ないんですが、妻の仕事として重要な装束を誂える事についても秀でている・・・という事で、こういう更衣の場面などには登場してきます。
さて、女房たちの働きぶりを見てみましょう。
これは、たぶん敷地内にある染殿で糸を染めているところ。
こっちでは、砧を使って織りたての布を叩いています。こうして布を柔らかくし、光沢を出したんだそうですね。
冬装束らしく、綿入れを綿を準備しているところ。
布を裁断しています。
これは、2枚の布地をあわせているところでしょうか。
ここの右の女房は裁縫をしてるようですね。
そして左は、どうやら、「ひねり」の作業らしい。
「ひねり」は、布地の端をかがり縫いせずに糊で固める方法だそうで、一度仕立てたら長い間着る今と違って、洗濯のたびにほどいて仕立て直す時代には、この方が良かったのかも・・・
こんな感じで、上流貴族になると、装束を仕立てる工房が家にあるようなもの。
それぞれの役割に有能な女房がいて、それをまとめる事の出来る妻がいるというのは、ひとつの理想だったわけですね。
では、ぼちぼち、まとめに・・・(^_^;)/
ということで、その6に続く