「ウーマン・イン・ブラック

〜黒い服の女〜」を観劇しました。


◇6/27(木)  昼公演  PARCO劇場

H列上手





ロビー花は胡蝶蘭の鉢植えと
あとは東京千秋楽間近でしたので
花籠はお写真で披露されておりました。




◇若い俳優…向井理
◇アーサー・キップス…勝村政信


弁護士キップス(勝村)が
ボソボソと回顧録を朗読をしている様子。
若い俳優(向井)がダメ出しをしている。

キップス一族では
親族の集まるクリスマスに
怪談話を披露する慣習があるらしい。
親戚の子たちから催促されたこと、
キップス自身も悪夢から解放されたい
一心でこれまで誰にも言えなかった
若き日の恐ろしい体験を話すことにした。

相談された若い俳優(向井理)は、
朗読ではなく
劇仕立てにすることを提案する。

若い日のキップス弁護士役を俳優が、
それ以外の人々を
キップスを演じることにして
稽古が始まる。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

ちょっと内容に触れますので、
これから観劇される方や
知りたくない方はお読みにならないで
くださいね。


イギリスで有名なゴシックホラー小説で
映画化、舞台化されている作品です。

戯曲は2人芝居になっていて
本編(弁護士の恐ろしい体験)が
劇中劇になっております。

見たら納得するのですが、
小説、映画、舞台…
元は小説なのですが、
戯曲が非常に相性の良い物語です。 

劇中劇の恐怖の源が
最後の台詞で演じる役者にも及び、
さらに客席にも感染する…という
アトラクション的楽しみ方もできたり、

最後に客席にも恐怖を体感させるから
冒頭と劇中に客席をうまく使う演出に
なっているのかなぁと思ったり。

向井理さんや勝村政信さんが
客席通路で芝居されている時には
お客さまの嬉しいドキドキが
私にまで伝わりましたラブ
(わかる〜爆笑カッコいいだもん…
たまらない高揚感ですよねピンクハート)

2人芝居に
面白い戯曲が多いと感じるのは、
秀作だけが再演再々演四演五演…と
続くから結果淘汰されるからなのか、

それとも演劇人が愛した戯曲を
優れた選ばれし役者2人が
キャスティングされて
しのぎを削るからなのか。

前置きが長いですね笑い泣き

とにかく
人気のある戯曲であることは
間違いないです爆笑


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日本での上演は
東京公演はずっとPARCO劇場です。

観劇は正面からがいいに
決まっておりますが、
本作は特に端からみると
面白さが半減しそうです。

そもそも2人芝居なので
そんなに端っこで演じる事がないのと
上手に鍵のかかった謎のドアがあったり、
正面にスモーキーな幕があって
奥に謎のお部屋、
さらに奥、その部屋に続く階段、
さらに見てはいけない黒い服の女の姿、
それらを体感するのに端席だと 
(私は見えたけれど)
見えにくそうだなぁとキョロキョロ
だから
PARCO劇場はちょっと作品に対して
広いかなぁと感じました。
PARCO劇場ありきの作品なのだけど。


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キップスの体験というのが
過去に起きた事故の呪いなのですが、

呪いといえば頭に浮かぶのは
たとえば
日本ではリングの貞子とか
(呪いがビデオという媒体で広がる)
台湾映画の呪詛(うろ覚えですが
唱えると巻き込まれるんでしたっけ?)
系譜としてターニングポイントになる
作品やキャラクターってありますよね。 
それに比べると
本作は40年前の作品ですので
かなり古典的な印象になります。

向井理さんも勝村政信さんも
大変好演されておりましたが
演目としては
時代は進むので
この古典的ホラーをどう見せていくのか、
という難しさは今回感じました。

叫び声や大きな音で
(お隣の方は飛び上がっておりましたガーン)
驚かす手法もありですが、
作品の恐ろしさをお化け屋敷の手法で
見せるだけでなく、欲張りですが
哀しさに余韻を残す作品でもあってほしい
と思った次第であります。