【初級編】では、土佐弁バリバリのわしらの新曲『ちんなちん』を翻訳して土佐弁を学びましたね。

 

今回の【番外編】では、実際にお客様から質問で頂いた、『ちんなちん』の歌詞にも出てくる「びっしり」と「ぎっちり」の言葉についてです。

 

 

土佐弁で「びっしり」と「ぎっちり」は頻度をあらわす言葉ながです。

 

 カツオをびっしり食べゆう。

 カツオをぎっちり食べゆう。

 

これらの文章は両方とも(カツオをよく食べている。)と訳すわけですが、

この使い方をふまえた上で、

【「びっしり」と「ぎっちり」は、何が違うのか】という質問を考えていきましょう。

 


土佐おもてなし勤王党かわら版

 

 

「びっしり」①絶え間なく ②隙間なく

 標準語での「びっしり」は、ある空間に物が密な状態の時に使います。高知ではそれを時間的に置き換えて使います。やき、「よく~する」と訳します。

 

「ぎっちり」①隙間なく ②ひっきりなしに ③しっかりと 確実に

 標準語での「ぎっちり」は①のように物が隙間なく詰まっている状態の事を言います。土佐弁では、その詰まっている状態が続いているという感覚で「よく~する」と訳すがです。

 

 

 

何が違うのか。

 

 

 

強いて言うなら、

「びっしり」が一般的に言う「よく~する」だとすれば

「ぎっちり」はそれに圧力がかかっちゅう感覚でしょうか。

 

2つの言葉を比べると、「ぎっちり」には③しっかりと 確実に の意味が入ってきます。

『ぎっちり(しっかり)と手を握る』というように使いますが、

圧力がかかっちゅう状態が続くという解釈で

「びっしり」より言動が強く繰り返される様子を想像させます。

 

そして、両方とも通常はあまりいい意味では使われませんき、「よく~する」より「しょっちゅう~する」と訳した方が分かり易いかもしれませんね。

 


土佐おもてなし勤王党かわら版


 

『土佐弁辞典』の著者である 一の瀬愚(いちのせ おろか)先生にお話を伺ったところ

 

「地域によって使われ方が違うということはなさそうです。

そして高知県民は特に使い分けをしているわけでもなく、その場に雰囲気に応じた感覚で使い分けているように思えます。

ただ、それぞれの環境にもよるので一概には言えませんが、

やはり「ぎっちり」という言葉には「しつこさ」が感じられ、頻度的には「びっしり」より多い頻度を表していることが感じられるのではないでしょうか。」

 

という見解を頂きました。

 


土佐おもてなし勤王党かわら版


 

 

【まとめ】

土佐弁で「びっしり」と「ぎっちり」は両方とも「よく~する」や「しょっちゅう~する」(あまりいい意味では使用しない)と訳される。県民は特に意識をして使っているわけではなく、そこまで深く違いを探して使い分けをしなくても通じる言葉である。

ただ感覚的に「ぎっちり」の方が「びっしり」に比べて、より多い頻度をあらわすことが多い。

 

 

そんなところでしょうか。

 

【番外編】はいかがでしたか?

ちっくと難しかったかもしれませんが、勉強になりましたでしょうか?

 

わしも、こじゃんと調べたので勉強になりました(笑)

 

 

皆様もわからん土佐弁があったら

ぜひ調べてみてつかあさい!

 


土佐おもてなし勤王党かわら版


 

このブログを書くにあたって

 

一の瀬先生、お忙しいところ質問に答えて下さってありがとうございました!

 

写真撮影にご協力頂いた皆様、ありがとうございました!

 

そこで面白い話を聞かせて下さった、おんちゃん、おばちゃん、女子大生の皆さん、ありがとうございました!

 

 

土佐弁ラブ。

 

 

〈参考資料〉

『高知 知っとこ小事典』

『簡易土佐弁辞典』

 おろか工房