「ねぇ、聞いてくれる?うちの旦那、実はね…」

桜の花びらが舞う中、私は仲良しグループに打ち明けた。

「大学の授業中、旦那の隣に座ってた人がね、『あれ?昨日双子のお兄さんじゃなかったっけ?』って言うのよ。それで問い詰めたら、なんと影武者だったの!」

私は笑いながら続けた。

「でもね、おかげで勉強は楽だったみたい。時間を持て余して、お父さんの畑仕事の手伝いしてたのよ。最近は、夜の女性たちのシェルターの管理までしてるんだから、本当に優しいの。大学って、意外と時間があるでしょ?行ったことある人ならわかると思うけど。その時間で、旦那は何か研究を始めたみたいなの。一体何を研究してるのかしら?ちょっと心配だけど、応援したい気持ちもあるのよね。」

桜並木のベンチで、私たちは顔を見合わせてクスクス笑った。旦那の秘密は、私たちの友情をさらに深めるスパイスになった。


野原サクラ