日本のバミューダトライアングル。そこは、船が忽然と姿を消す魔の海域。各国海軍の艦船が次々と消息を絶ち、人々を恐怖に陥れていた。しかし、不可解なことに、海上自衛隊の艦船だけは難を逃れていた。
そんな中、中国の空母までもが消息不明となった。世界は騒然となり、様々な憶測が飛び交った。陰謀論、超常現象、はたまた宇宙人の仕業か。人々は不安と恐怖に震え、明日への希望を見失いかけていた。
私の息子、タローは、聡明で好奇心旺盛な少年だ。彼は、この不可解な出来事に強い関心を抱き、日々ニュースを追っていた。ある夜、タローは奇妙な夢を見た。それは、古代アステカ文明の祭壇。生贄が捧げられ、血が流れる残酷な光景だった。
目を覚ましたタローは、青ざめた顔で私に言った。「お母さん、世界で何が起こっているんだろう?」彼の瞳には、不安と恐怖が入り混じっていた。私は、息子を抱きしめ、何も心配ないと言い聞かせたが、心の奥底では、同じ不安を感じていた。
桜の花が咲き乱れる季節。美しい風景とは裏腹に、世界は不穏な空気に包まれていた。人々は、出口の見えない暗闇の中を手探りで進んでいるようだった。
しかし、そんな中でも、希望の光は消えていなかった。タローの夢は、もしかしたら、この謎を解く鍵になるかもしれない。古代アステカ文明と現代の不可解な出来事。一見無関係に見える二つの事象が、実は深いところで繋がっているのかもしれない。
タローの夢は、私たちに多くの問いを投げかける。歴史の闇に葬られた真実。そして、人間の奥底に潜む狂気。しかし、同時に、この夢は、私たちに希望も与えてくれる。それは、桜の花が冬の寒さに耐え、春に美しい花を咲かせるように、どんな困難な状況でも希望を捨てない人間の強さを示している。
謎は深まるばかりだが、私たちは諦めてはいけない。タローの夢を手がかりに、真実を解き明かし、この危機を乗り越えなければならない。それは、私たち人類の未来を守るための戦いだ。
野原サクラ