うちのタローったら、本当に変わってるのよ。頭はいいんだけどね。この間なんて、パク監督の半生を映画化するって言うんで、子供時代の監督役で出たのよ。しかもほとんどアドリブでやっちゃったんだから。

「どうせ韓国語の字幕で放映されるんだから」なんて言って。まあ、そんな感じで日本での撮影は終わったんだけど、青年時代は別の俳優さんが演じることになって、舞台はアメリカに移って監督の映画の勉強時代になるんだって。タローはとりあえずホッとしてたわ。

でもね、束の間の休息だったのよ。なんと台本がお幅に書き直されて、タローのアドリブのセリフに書き直されたんだって。監督が脚本家に書かせたものよりいいって思ったらしいのよ。タローったら、一体何を言ったのかしらね。


野原サクラ