「まさか、富士塚でゾウの骨?」

休日の午後、小学5年生の息子タローと近所の富士塚へお参りに行った時のこと。

「お母さん!見て!これ何?」

タローが興奮気味に手にしていたのは、なんと骨のようなもの。

「え?どこで見つけたの?」

「あそこの石の隙間!」

タローが指さす方を見ると、確かに石の間に挟まっている。

「うーん、何だろうね?でも、こんなところで骨なんて…」

私の疑問をよそに、タローは得意げな顔。

「これはゾウの骨だよ!」

「ゾウ?まさか…」

半信半疑ながらも、タローの熱意に押され、神社の宮司さんに相談することに。

「これは…確かに骨のようですね。念のため、専門家に見ていただきましょう」

宮司さんは、知り合いの大学の古生物研究科に連絡を取ってくれた。

数日後、研究科から連絡があり、なんとタローが見つけたのは、この辺りでは珍しい種類のゾウの化石であることが判明!

「タロー、すごいじゃない!」

私の驚きと喜びをよそに、タローは得意満面。

「やっぱりゾウの骨だったでしょ!」

その後、化石は研究資料として大学に寄贈されることになった。

今回の出来事は、タローの好奇心と探究心の賜物。

「次はどんな発見があるかな?」

タローのキラキラした瞳を見て、私もワクワクが止まらない。


野原サクラ