「まさか、こんなところで砂金が?」

休みの日、夫と小学5年生の息子タローの珍道中が始まった。行き先は、夫が図書館で見つけた古い資料を頼りに探し当てた、かつて砂金が採れたという場所。

タローは、ストローとペットボトルを組み合わせた、なんとも手作り感あふれる採取道具を携え、目を輝かせていた。

「タロー、そんなので本当に採れるの?」

私の心配をよそに、タローは自信満々。

「大丈夫!ちゃんとYouTubeで予習してきたから!」

そう言って、早速川辺で採取開始。

「どう?採れてる?」

「うーん、まだ…」

しばらく格闘していたタローだったが、諦めずに吸い取り続けると、ペットボトルの中に小さな金色の粒が!

「お母さん!採れたよ!」

タローの興奮がこちらにも伝わってくる。

「すごーい!本当に採れたんだ!」

その後も、親子で夢中になって砂金を採り続け、あっという間に時間が過ぎた。

帰宅後、夫が金券ショップに持ち込んだところ、なんと1万円分の金と判明!

「まさか、こんなに採れるなんて!」

驚きと喜びで、家族みんなで大盛り上がり。

今回の砂金採りは、タローにとって忘れられない夏の思い出になったようだ。

「来年も絶対に行こうね!」

タローのキラキラした笑顔を見て、私も心からそう思った。


野原サクラ