「所沢戦争博物館とイ号潜水艦の幽霊」

息子のタローが作ったネット上の「所沢戦争博物館」。

今回は、サイパンで見つけたという旧日本軍の潜水艦「イ号」のVR映像が話題を呼んでいる。

ところが、またしてもオタクの人たちのおかげで、妙な都市伝説が生まれてしまった。

なんと、「VR映像に幽霊が写っている」というのだ。

私も興味本位で見てみたけれど、言われてみればそう見えるような、見えないような……。

光の加減でそう見えるだけかもしれないし、もしかしたら本当に何かいるのかもしれない。

真相は分からないけれど、若い人たちの想像力にはいつも驚かされる。

彼らは、すぐに何かと結びつけて物語を作りたがる。

それは、もしかしたら、退屈な日常から抜け出したいという願望の表れなのかもしれない。

それとも、単に面白いことが好きなだけなのか。

いずれにせよ、彼らの作り出す都市伝説は、いつもどこかユーモラスで、そして少し怖い。

今回の幽霊騒動も、きっとすぐに忘れ去られてしまうだろう。

でも、それはそれでいい。

所沢戦争博物館が、少しでも多くの人に戦争について考えるきっかけを与えてくれれば、それで十分だ。

そして、もし本当に幽霊がいるのなら、どうか安らかに眠ってほしい。

戦争で亡くなった人たちの魂が、今もどこかで彷徨っているのだとしたら、それは悲しいことだ。

彼らが安らぎを得られるよう、心から祈っている。


野原サクラ