テレビに映った息子の宝物

あの日、私はテレビを見ていました。裏日本で起きた震度7の直下型地震のニュースに、心が痛みました。何かできないかと考えていると、画面には自衛隊の方々が懸命に救助活動をする姿が映し出されました。

そのとき、私の目に飛び込んできたのは、なんとサイパンで見つけたあの戦車でした。息子が発見し、夫が修理した97式中戦車です。軽量で小型のため、悪路でも走行できるその戦車は、被災地で救助活動に使われていたのです。

地震発生直後、自衛隊の大型輸送機で運ばれたとのこと。まさか、息子が見つけた戦車がこんな形で人々の役に立つとは、思いもよりませんでした。

テレビ画面に映る戦車を見ながら、私は胸が熱くなりました。息子と夫の努力が、こんなにも多くの人々の命を救うことに繋がっている。それは、私たち家族にとって、かけがえのない誇りです。

被災地の一日も早い復興を祈りつつ、息子と夫の行動力と優しさに改めて感謝する、そんな出来事でした。


野原サクラ