息子の不思議な力と、戦車との出会い

私の息子、太郎は紛れもない天才児です。彼は小学二年生にして、常人では考えられない能力を持っています。

先日、姉のN子ちゃんと一緒にサイパンへ動画撮影に行った時のことです。美しい海でN子ちゃんが撮影に夢中になっている間、太郎は一人で山奥へ探検に出かけました。そして、なんと旧日本軍の看護兵の遺骨と、97式中戦車を3台も発見したのです!

遺骨は日本に送られ、厳かに慰霊祭が行われました。そして数ヶ月後、驚くべきことに、サイパンから3台の中戦車が我が家に届いたのです。太郎は目を輝かせながら、夫に「直せるよね?」と尋ねました。夫は「やりたいな」とニヤリと笑いました。

こうして、親子二人の挑戦が始まりました。夫は元整備士で、機械いじりが得意です。太郎は持ち前の天才的な頭脳で、戦車の構造をあっという間に理解しました。二人は力を合わせ、コツコツと錆を落とし、部品を交換し、丁寧に修理を進めていきました。

そしてついに、エンジンが始動!3台とも見事に動くようになったのです。

もちろん、戦車を自家用車にするわけにはいきません。そこで、陸上自衛隊に寄贈することにしました。自衛隊は大変喜んでくれ、3台のために「231訓練特殊車両小隊」という女子だけの部隊が編成されました。

この部隊は、各地のイベントで活躍しています。おもちゃのような可愛らしい戦車と、凛々しい女子隊員たちの姿は、子供から大人まで大人気です。

息子の不思議な能力が、このような形で多くの人々に笑顔を届けることになるとは、夢にも思いませんでした。これからも、太郎の才能が世界を明るく照らしてくれることを願っています。

野原サクラ