息子の不思議な能力

私の息子、太郎は小学二年生。天才児と呼ぶにふさわしい知能と、不思議な能力を持っています。

先日、姉のN子ちゃんと一緒に、ショート動画の撮影のためにサイパンへ旅立ちました。美しい海と空をバックに、N子ちゃんが軽快なトークを繰り広げる中、太郎はなぜか山の中へと足を踏み入れました。

すると、何かに導かれるように、地面の奇妙な窪みに気づいたのです。太郎は忍者さながらの素早い身のこなしで穴を掘り始めました。

驚くべきことに、そこには広大な地下空間が広がっていました。そして、14柱の女性の遺骨が眠っていたのです。

太郎は、まるで彼女たちを知っているかのように、一人ひとりの名前を言い当てていきました。「青森県田楽サキさん…宮城県大里フジさん…」

すぐに日本大使館に連絡し、本格的な調査が始まりました。地下空間は長い坑道になっており、そこには97式中戦車が3台、驚くほど良好な状態で保存されていました。

遺骨の発見だけでも驚くべきことですが、太郎の関心はそれだけではありませんでした。彼はなんと、その中戦車を譲り受けたいと交渉を始めたのです。

息子の突拍子もない行動に、私はいつも驚かされます。しかし、彼の不思議な能力と純粋な好奇心は、時に世界を動かす力を持っているのかもしれません。

野原サクラ