高志と不思議な紙袋おじさん

高志は、お父さんの楽器店の経営が傾き始めていることに焦っていた。何とか副業で稼ぎたいと思い、YouTubeやブログ、小物せどりなど色々挑戦してみたが、どれも上手くいかず、落ち込んでいた。

ある日、高志は店番をしていると、紙袋を被った奇妙な男が現れた。男はインド音楽のCDを探しており、高志は埃まみれのCDを無愛想に差し出した。

男は高志を叱り、「商売の基本は見た目だ」と諭した。そして、高志に革靴転売という商売を提案した。中古の革靴をリペアしてメルカリやヤフオクで販売するというアイデアだった。

高志は半信半疑ながらも、男のアドバイスに従って革靴転売を始めた。YouTubeで靴のリペア方法を学び、丁寧に磨き上げた靴を写真で美しく売り込んだ。すると、驚くほど売れ行きが伸び、高志は一家が食べていけるほどの収入を得られるようになった。

ある日、高志は店に出ると、カウンターの上に小さなガネーシャの木彫りの置物が置いてあることに気が付いた。高志は、あの紙袋おじさんがガネーシャだったことに気づき、感謝の気持ちでいっぱいになった。

高志はその後も革靴転売で成功し、お父さんの楽器店も立て直すことができた。そして、常に商品を丁寧に扱い、顧客に喜んでもらうことを心掛ける、商売の基本を忘れずにいた。