僕の冒険はここから始まった



 僕の冒険はここから始まった。なんだ?と思った方が大勢いる事でしょう。そう、僕の冒険はここから始まった、「エルマーの冒険」から。 

 今、こうやってこのエッセイ書く前に、ふと今の僕を作ったのは誰だろう、なんだろうと思った。「キン肉マン」からは友情を、「幽遊白書」からは語彙とユーモアを、「太陽の塔」からは忍耐力を、「拓郎さん」からは人生観を、「財津和夫さん」からは道徳を、「漱石先生」からは文章を、「図鑑」からは知識と経験を教えてもらった。

 でも、こんな素敵なモノに出会えたのもみんな「エルマーの冒険」のおかげなのではないのか。

 人生で大切なことは、「エルマーの冒険」から学んだと言っても過言ではないのではないのかもしれない。幼稚園ではみんなこぞって「エルマーの冒険」を読んでいたのを思い出した。例に漏れず、僕も読んでいたし、大好きだった。本を開くと見開きで地図が描かれていて本を開いたその時から…。いや、本を買いたいと思った時から始まった、僕らの冒険はその地図がスイッチとなり起爆した。その前から予兆はあった。僕らの旅は始まった。そんな「エルマーの冒険」のお陰で今でも僕は冒険(開拓)が好き、散歩も好き。知らない土地とか、知らないこと、なんでも挑戦したくなる。(すぐに飽きることもある。)開拓から何かを得たいわけではなくて、開拓心を燃やし続けたいと思う、それだけだ。

 中学の頃、学校からもらった地図帳、資料集をぼろぼろになるまで使った。新たな土地を求めて机上で冒険をさせてもらった。世界遺産という番組がある。リビングで冒険をさせてもらった。そんな風に、心の冒険は続く、記憶は巡り巡る。刻一刻と、僕らは大人になる。

 あの頃を思い出しながら「エルマーの冒険」をもう一度開拓してみようと思う。あの頃は見つからなかった景色が見えるかも知れない。いつまでも、あの頃のように冒険心いっぱいの幼稚園児でいよう、そう思った。