ビタミンCが筋肉増強に与える5つの効果

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  • コラーゲン合成に不可欠
    ビタミンCは、コラーゲン合成に必要なプロリンというアミノ酸のヒドロキシル化を促進し、コラーゲン生成を助けて筋肉の修復と成長に役立ちます。コラーゲンは、身体の中で最も多く存在するタンパク質で、筋肉や靭帯、腱、皮膚などの結合組織に存在し、身体を支える役割を果たしています。
  • 結合組織の強度向上
    コラーゲンの生成を促進させることで、筋肉内の結合組織を強くします。そのため、トレーニングの効果を向上させたり、怪我のリスクを減らす役割があります。
  • 骨格筋の修復
    筋肉は運動することで分解と合成を促しますが、ビタミンCはコラーゲンの生成を助けることで筋肉の修復プロセスを促進し、回復による筋タンパク質合成を助けます。
  • 抗酸化作用
    ビタミンCは、活性酸素と呼ばれる不安定な分子を中和する働きがあります。活性酸素は、体内で自然に生成されるもので、過剰に生成されると、細胞や組織を傷つけ、老化や病気の原因となると考えられています。ビタミンCの抗酸化作用が筋肉に及ぼす影響については、まだ明確な結論が得られていないですが、ある研究ではビタミンCの抗酸化作用が酸化ストレスを軽減し、筋肉の疲労を軽減させ、筋力を向上させる可能性があるとされています。
  • 鉄の吸収向上
    ビタミンCは、筋肉内の酸素輸送に必要な鉄の吸収を増やし、筋肉の機能を間接的に支えます。ビタミンCは非ヘム鉄をヘム鉄へ還元する働きがあり、 鉄の吸収を高めます。鉄は、筋肉への酸素供給を促すたんぱく質であるヘモグロビンの重要な成分です。

  ビタミンCはスポーツ選手の必需品!筋肉増強・疲労回復にも効果的

ビタミンCはコラーゲン生成を促進し、筋肉の強度や弾力を高め、筋肉のパフォーマンスの向上が期待できます。また、激しい運動後の筋線維の修復や成長を強化することで、筋肉増強や運動能力向上、怪我の回復の早期化にも役立つことがわかります。このように、ビタミンCは筋肉サポートに欠かせない栄養素の一つであるといえます。

また、ビタミンCの摂取が鉄の吸収を促進し、酸素の運搬を増やすことで、パフォーマンスの向上にも影響します。酸素は、筋肉のエネルギー代謝に不可欠であり、酸素の供給量が増えることで、筋肉のエネルギー代謝が促進され、筋肉のパフォーマンスの向上が期待できます。特にアスリートは激しい運動によって多くの酸素を必要とするため、鉄の吸収を促進することで酸素の運搬を促進し、パフォーマンス向上に役立ちます。

また、女性は月経や妊娠・出産によって鉄を失う機会が多いため、貧血になりやすい傾向があります。そのため、女性は鉄の吸収を高めることで貧血の予防・改善に役立てることができます。

運動後の筋肉痛や疲労は、人々が運動をした後によく経験する現象です。そして、身体が適応能力を高めより強くなるための重要なプロセスでもあります。しかし、筋肉が傷ついたり疲れたりしているため、体力やパフォーマンスが低下してしまいます。ビタミンCには強力な抗酸化作用があり、筋肉への損傷や炎症を引き起こす酸化ストレスから守るという研究結果もあります。つまり、ビタミンCは筋肉痛を軽減し回復時間を短縮する効果が期待できます。

  ビタミンCの摂取で免疫力アップ↑

ビタミンCは、私たちの免疫系にはたらきかけ、さまざまな良い効果を発揮するといわれています。ビタミンCは、体を酸化させるものから守る抗酸化作用を持つだけでなく、多くの生体反応や遺伝子の働きを助ける役割もあります。免疫系は、私たちをさまざまな細菌やウイルスなどから守るために進化してきた身体の防疫機構です。ビタミンCは、免疫細胞の働きを支えることで、防疫機構に貢献しています。ビタミンCは、免疫細胞がうまく働くように、さまざまな方法で効果を発揮します。例えば、ビタミンCは、細菌やウイルスを攻撃するための免疫細胞の移動を刺激するだけでなく、同時に攻撃から身体を守る役割も果たします。さらに、ビタミンCは、リンパ球の働きを促し、免疫システムで重要な役割をするB細胞とT細胞の働きを向上させることが示されています。

  ビタミンC不足の症状とは?

ビタミンCの欠乏による有名な症状の一つは壊血病ですが、重度な欠乏症の方は少ないでしょう。しかし、以下のような症状はありませんか?もしかしたらビタミンCが十分ではないかもしれません。社会生活ではストレスが多くかかりますよね。ストレスが多い人ほどビタミンCを消費する量も多くなるため、ストレスに対抗するためにもビタミンCの摂取は有効です。

  • 肌荒れや乾燥
  • 疲労感や倦怠感
  • 風邪をひきやすい
  • 歯茎の晴れや出血
  • 貧血
  • 傷の治が遅い

中でも女性は、毎朝お化粧をするなどのお肌と向き合う機会が多いため、お肌の状態を敏感に感じることができると思います。お肌は健康のバロメーターでもありますので、健康状態を確認することも含めてお肌の状態をチェックしてみてくださいね。

  ビタミンCの効果と摂取量の関係性

ビタミンCの日本食事摂取基準2020年版の推奨量は、100mg/日です。この基準は壊血病予防のための値ではなく、心臓血管系の疾病予防を考えての値なので、100mgとれていれば健康でいることができます。ですが、ここまでも述べてきた通り、ビタミンCは女性にとってメリットばかりの救世主とでもいうべき栄養素です。美肌効果であったりプラスαの効果を期待する場合は1000~2000mg/日をおススメしています。もちろん、筋肉コンシャスな女性にも筋肉増強のために1000~2000mg/日をおススメします。

私たちの体は、必要な分だけビタミンCを摂取し、適切な量を上手に調整しています。 ビタミンCの腸からの吸収率は200mg/日程度までは70%から90%と高く、1000mg以上になると吸収率は50%未満に下がり、摂りすぎたビタミンCは体の中で使われずに尿として排出されます。

ある研究では、1250mgのビタミンCを経口で取ると、血液中のビタミンCの濃度が135µmol/Lになりました。これは、200mgから300mgのビタミンCを摂取した場合よりも、約2倍高い値です。つまり、大量のビタミンCを取った時でも、体は必要な分だけ吸収し、残りは排出するように調整しています。身体を守るために、体がこのような制御をしているのです。

また別の研究では、毎日1000mgのビタミンCを2週間とり続けたら腸内細菌叢に有益な変化がみられたという。腸で吸収されなかったビタミンCは腸内細菌叢を調節する役割を果たし、腸内環境を整える効果も発揮するという研究結果もあります。しかし、3000~4000mg/日のビタミンCの摂取で下痢を認められたという報告もありますので、過剰摂取はやめましょう。

結論として、現時点では肌や筋肉に効果的なビタミンC摂取量に関しての確かなエビデンスは存在しませんでした。しかし、効果がある範囲内で過剰摂取にならないように考えると、1000~2000mg/日のビタミンC摂取量を目安にするのが妥当だと考えられます。

ビタミンCの摂取方法については、食品から積極的に摂ることはとても重要ですが、食品からだけでは1000mg以上のビタミンCを摂るのは難しいかと思います。ビタミンCに関しては、サプリメントの活用をおススメしています。

「女の筋肉めし」では、国家資格をもつ管理栄養士が、忙しい毎日でも無理なく筋肉量を増やすためのレシピと、筋肉UP↑に役立つ栄養の知識を発信し、筋肉コンシャスな女性の筋肉ライフを応援しています。