#98 中学 歴史 を読んで

 

中学歴史 文部科学省検定不合格教科書・第5版「ほぼ合格の完結版」

 

主筆 竹田恒泰さんです。

 

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 日本人が外国に留学すると、現地の生徒たちから日本のことをいろいろ聞かれるが「今年で日本は建国から何年か」「初代天皇は誰か」といった質問に答えられないと、軽蔑の眼差しを向けられる。それは、米国に生まれておきながら、しかも高校や大学にまで進学しておきながら、米国初代大統領の名前を知らない人間などいるはずもないからである。日本に生まれ育って初代天皇の名前を知らない大学生がいること自体、世界の人々にとっては信じれないことなのである。

 日本の高校生たちが日本の建国の経緯を知らない理由は、「学校で教えていないから」にほかならない。自由社と育鵬社を除き、普及している約96パーセントの中学歴史教科書には、建国の経緯が書かれていない。そして、高校でも同様であり、その結果が、冒頭に示したアンケート結果である。

 日本の教科書が建国の経緯を書かない理由は、戦争に負けたことが原因である。GHQがあらゆる出版物に適した『プレス・コード』も然ることながら、教科書検閲に用いたGHQの『教科書検閲の基準』の影響が大きい。GHQは同基準に明記された次の5点について、教科書から徹底的に排除したことが現在にまで影響を与えているのである。

 

・天皇に関する用語

・国家的拡張に関する用語

・愛国心につながる用語

・日本国の神話の起源や、楠木正成のような英雄および道義的人物としての皇族

・神道や祭祀、神社に関する言及、等々

(高橋史朗『検証・戦後教育』広池学園出版部)

 

 このようにして、天皇の成立と我が国の建国と統一の経緯は、歴史から完全に排除されてしまった。

 これでは、どれだけ教科書を熱心に読み込んでも、我が国の成り立ちを知ることはできない。民族とは、神話と歴史と言語を共有する人たちを意味する。このような教育を何十年も続けていたら、日本人の民族性は失われていくにちがいない。

 天皇や皇族に関する誇らしい逸話や、国民的英雄の逸話をはじめとする、GHQによって消された部分は、占領が解除されても教科書に戻ることはなく、現在に至る。

 

もし真っ当な教科書が普及したなら、真っ当な青年が育ち、将来、日本の指導者になって、そのときに本当の日本が復興するのではあるまいか。正しい教科書を普及させることの価値はじつに大きい。そのために有志が集い、始まったのが『国史教科書』編纂計画である。主筆である私と、竹田研究会学生部の大学4名で執筆に取り組むことになった。

 

(「第5版」刊行に寄せて ■なぜ私たちは中学の歴史教科書にこだわるのか より抜粋)

 

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