夫の日記

Yellow Stone 2日目。
今日はたくさんの野生動物が見られるという北部中心に観光。
メインの動物は何といってもバイソン。こいつらが兎に角でかい。
成人は約1トンもあるとのことで、園内の道路を群れを成して悠々と横断し、その度にバイソン渋滞が発生。
バイソンみたいな体したアメリカ人成人女性も必死にに車内からシャッターを切っている。
やはり赤ちゃんはどんな動物でもかわいいもので、赤ちゃんバイソンがお母さんバイソンに寄り添って歩く姿は
澱んだ私の心にも響くものがあった。

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かわいい・・この命を皆で大切に守らなくては・・

しかし、園内の至る所に、バイソンは大事だよ、保護してるからね、触っちゃだめよ、との看板があるものの
お土産物屋に行けばバイソンジャーキーが売られ、レストランではバイソンステーキを積極販売。
調査捕鯨ならぬ調査捕バイソンの賜物か、はたまた保護しつつおいしく頂いているのか、、

動物愛護精神が人並み外れて旺盛な私に至っては、このような状況に心を痛め
肉が硬くて美味しくなさそうだったので、バイソンジャーキー、ステーキとも購入を断念した。

そして、実はこの旅で密かに収集していたものがあり、それがYellow Stoneでも手に入るのではと期待していたのだが・・
それは、Starbucksのアメリカ各州にちなんだデザインのマグコレクション。
手当たり次第集めるのでは無く、旅先で思い出に残った場所で購入することにしている。
しかし、Yellow StoneのあるWyoming州というマイナーな州には中々Starbucksが無い。
しかも調べてみると、そもそもWyomingの名を冠したマグは販売されていないとのこと。

その時である。体にビリビリと電気が走った。フラッシュバックである。
時は2001年。当時私は予備校生として群馬は高崎の代ゼミに通っていた。
群馬に初めてStarbucksが出来たのは2001年、私が19才の時であった。
テレビや雑誌で見たことのある、あのStarbucksがいよいよ群馬にやって来る!
群馬っ子は浮足立った。
上智合格を目指し、テレビや雑誌に目もくれず、課題である英語力向上のため一心不乱に勉強していた今井君ですら
「スターブックス、いよいよ来るみたいだね・・」とか語り始めている。上智に受からない訳である。
一号店は高崎駅の駅ビル内。開店から一週間程は
なんと2時間以上の行列。コーヒーが飲めない連中は、無理やり水とドーナツを買ったりしている。
常時金欠でお昼ご飯代が500円の予備校生は、350円くらいする何とかマキアートを買ってしまったばっかりに
お昼ごはんがナイススティック一本になってしまったりしている。
どうしても店内で飲みたくて皆並んでいるのに、キャリアウーマン風の女性が広いソファを独占し、
意味も無くインテリア雑誌を読んでシアトルと同化したような顔をしている。

この時、私は心に誓ったものだった。
Starbucksの術中になど、死んでもはまるまい。こいつらは資本主義アメリカの権化である。
昔から喫茶店はルノアールと相場が決まっている。

あれから13年。資本主義の権化アメリカのビジネススクールで勉強し、今やStarbucksのマグを収集している。
しかし、これは仮初めの姿。一見アメリカに馴染んだように見せかけて、将来的に喫茶店を起業するケースに備えて産業スパイとして市場調査をしているだけなのである。


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