こんにちは。サブ主人格です。


今日、セミの鳴く声を今年初めて聞きました。

セミの声がしたら、自分の中で夏が動き出します。

それを「夏はじめ」と、勝手に呼んでいます。


僕は季節の中でダントツで夏が好きなので、気分が高揚しています。

逆に、冬は苦手ですね。冬になると、なんだか全ての命が、ゆっくり終わっていくような、永眠とも微睡みともつかないような眠りについてしまうような、そんな気がしてしまう。それで、自分自身の中のポジティブなエネルギーも枯れおちてしまいます。


夏は、いつも何かの物語が始まるような気分になる。まだ知らない煌めきが、こちらに手招きしている感じ。

予想外のおおげさな、素敵な騒動がおこるような予感が、毎年します。


子供の頃は夏休み前日が1番好きな日でした。

計画性がないから、学校の荷物を両手とランドセルいっぱいに持ちながら、いつもより青く見える空の高さにわくわくしていました。

空を飛べる気さえして、小学校低学年までは、手をパタパタしていつか来る飛び立つ時の練習をしていました。


いつからなんでしょう。空を飛べないと知って、魔法はこの世界にないと知って、この現実だけを見つめるようになったのは。

きっと色んな出来事を経験して、現実に慣れきって、染まりきってしまった。

失ったファンタジーと引き換えに、処世術や実学を得たのでしょう。


そうしたわくわくを、夏は少しだけ思い出させてくれます。もう空は飛べないし、魔法は使えないけど、こころは自由なカモメのように青い海のはるか上を飛んでいく。

なんだか、いつもは出来ないことが、出来そうな気がする。

スピッツを流しながらMacBookに向かっていると、指先が勝手に踊りだしていく。


僕にとって特別な季節が、ようやく始まりました。

今年はどんな物語になるんだろう。