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渡鹿野島遊び2016

2016年夏、渡鹿野島で女遊び(泊まり)をした際の記録。

 その島の風景を写した写真の中で、私の印象に強く残ったものが三枚、あった。

 一枚は、もう子供が通わなくなって久しいと思われる保育園を写したものである。保育園の入口の門は残っているものの、その内の庭には一面に雑草が生い茂り、人の腰くらいまでの高さに伸びきってしまっている。むかしには保育園に通う子供がそれなりの数、島内に居たのだろうが、いまは跡形もなく廃墟となり果てている。枯れた雑草に秋の鈍い日が射しこんでいる様が、なんとも物哀しい…。

 

 もう一枚は、ゲームセンターだった建物の跡を写した写真だ。「真っ黄色」といってよい、明るいイエロー一色で染まったビルの一階にParadiseと表記してある。なんだか昭和の香りがする名称だが、パラダイスというゲームセンターだったのだろう。ビルの二階にはスナックの看板が出ている。スナックは現在も経営しているのかもしれないが、一階のゲームセンターは既に無くなり、「テナント募集中」の貼り紙がされている。黒い、太いマジックで書かれたその文字は、現在の島の状況を想像してみるにつけ、


(はたして、このテナントに入る新しい商売は生まれてくるのだろうか…?)

 と私に思わせることしきりである。それほどに、現在の島は寂れてしまっていると推測された。

 

 さて最後の写真は、旧いアパートを撮影した一枚である。建物自体は朽ち果てていると言ってよく、二階につながる階段は錆びていて、今にも崩れてしまうのではないかと思うほどである。もう何十年も前に建てられた「廃墟」と呼んでもいいアパートだが、まだ人が住み暮らしていそうな気配もどことなく見受けられる。もしかすると、この島に住む娼婦が、男性客をとるための部屋として使っているのかもしれない。


 その島の名を、「渡鹿野島」という。好奇心の強い男性なら、その名を一度は聞いたことがあるかもしれない。数十人の娼婦が住み暮らしていて、本州からの渡り船でやって来る男性客をとる風習がいまだにつづいていると噂され、「売春島」という実しやかな都市伝説がネット上で流れている怪しげな島である。



2016年7月に渡鹿野島に男一人で行ってみたときの思い出を書きつづってみようと思う。

 

島に初めて上陸するにあたり、事前にネットで検索してみたけれど、風俗体験談的な品の無い記事ばかりだったので、今回は、島について、あるいは島に住み暮らしている女性について、きちんと描写した品格ある文章にしたいと思っている。なので、性的な描写は控えめである。