その島の噂(2) | 渡鹿野島遊び2016

渡鹿野島遊び2016

2016年夏、渡鹿野島で女遊び(泊まり)をした際の記録。

 渡鹿野島は、三重県の志摩半島ぞいに浮かぶ、ハートの型をした小さな島である。島内を半日も歩きまわれば、全ての風景をカメラでおさめられるくらいの小さな島だ。

 

 江戸時代に物資運搬の船や漁師の船が停泊するための島として栄え、自然な流れで、船乗りの男性を楽しませるような娼婦が島に増えた。いつしか売春がこの島の「主要産業」となり、その流れは第二次大戦後までつづいた。「島」という地理的な優位もあって、戦後の警察の取締りも巧妙に掻い潜ってきてしまったようだ。

 

 バブル期のころまでは、

「男性客がコンパニオンや娼婦をもとめて遊びにくる、一風変わった観光地」

 として繁栄しつづけた。しかし時代の変遷とともに、島の売春と、それにともなったホテル・旅館業も衰退し、島自体が過疎化している傾向があるらしく、2016年の現在では島に娼婦が居るのかどうかも、外からだと(とくに関東に住んでいる人間からだと)判然としない。


 ネットでいろいろ検索してみても、渡鹿野島を実際に訪れた人による体験談は、2012年頃までで絶えてしまっている。

 

 2012年でも既に、島の娼婦の数は激減していて、若い女性は全くおらず、三十代四十代ばかりだったそうである。おまけに、夜は大きなイビキをかく娼婦や、接客する気が全く無くすぐに寝入ろうとする娼婦など、あまり質(たち)のよくない女性に出くわしてしまってさんざんな目に遭った、という体験談が多かった。


 2015年のきわめて最近の体験談も一応は見出せたものの、書き手の男性はとくに女遊びをする気はなく、島に上陸してただ風景を写真におさめただけ、という記事しかなく、本当に知りたい〈核心〉の情報が得られなかった。