(ネタバレ注意!)映画版、各場面ごとの原作との比較と感想① | 近キョリ恋愛、原作と映画の比較

近キョリ恋愛、原作と映画の比較

原作無視で話題となった映画「近キョリ恋愛」を原作と比較するブログです、映画の感想も時々書きます。原作、映画共にネタバレあるので注意!

今回から各場面ごとに原作と映画を比較して、その上で映画の感想を書きたいと思います。

感想ということで、もちろん映画版にもいいところはあるのですが、基本的に批判コメントの方が多いと思いますので見る方はご注意を。(画像はDVDより)











映画版は、原作と同様「枢木ゆに、これでも○○です」というゆにのナレーションで始まります。

最初に「枢木ゆに、18歳」と言っているところから、誕生日は原作同様4月のままなのか、それともそんな細かい所まで考えていないのか…

犬にほえられて怖い、2人1組で柔軟するのに余った、それなのに先生に「1人でできるよね」と言われて傷つく、実験中に事故が起きてここでもまた先生に「枢木は…大丈夫か」と自分も足から血が出てるのに他の生徒の方を優先される。

それでも無表情なゆにが描かれています。

それにしても…3つ目はまだしも、2つ目の体育の先生の対応はいくらなんでもひどすぎやしないでしょうか?

ゆにが秀才だからとかそういう以前に、2人1組でしかできないものはできないんですから、そこは先生と組もうとか、どこかの組に入れてもらって3人でやりなさいと言うべきだと思うのですが…

もっとも、原作みたいになんでもできちゃう超人のゆにならこう言われるのも分かるのですが、映画のゆには普通の女子高生なのですよね?

先生の対応がおかしすぎる気がします。細かいところかもしれないですが、ゆにが傷つくとか以前に問題発言だと思います。

そういえば、この状況からみると、ナミはゆにとは違うクラスなのでしょうか?

ホームページのところにも「親友」とは書いてありますが「クラスメイト」とは書いてありませんからね。

あと、3つ目の実験の場面に関してもゆにに「入れすぎないようにね」と言われたばかりにもかかわらず、ゆにの目の前でドバドバと入れすぎる女の子って…ちょっとおバカすぎる気がします(笑)











いきなり映画版オリジナルの場面で始まりましたが、ここでやっと原作と同じゆにがハルカに呼び出される場面になります。

原作ではゆにをクールだと言っていたのがナミだったのに対し、ここでは役名すらない普通の男子生徒をはじめとしたその他大勢の生徒になっています。

原作ではナミ一人がゆにに対して言っていたのでそんなに違和感ないのですが、ここではあくまでも本人に対して言っているわけではない上、それが3~4人なので違和感ありまくりです。

どう考えてもゆにに聞こえるでしょ…と。

あまり演技に関してはコメントしたくないのですが、最後の女の子の「でも、クールだよ?」がちょっと下手でますます違和感があります。

そして、ネコのバレッタをはずして撫でるという仕草も映画オリジナルです。

原作ではナミの前でハルカの悪口を言っていたところをハルカに聞かれて呼び出されるのですが、映画ではこのバレッタをいじっている時に、ハルカに声をかけられます。

その様子を芽衣たちが見て文句を言うというのも映画オリジナル。

原作では花音を除いてこういう場面はなかったので、ここはある意味リアリティがあるところだと思います。

立ち去るハルカをゆにが見る、そんな中でタイトルが出てきます。

原作の序盤のシーンであるにもかかわらず、既に改変されているところが多く見られます。





そして、こちらも原作と同じ、ハルカに補習を命じられる場面。

原作と違って進路指導室ではなく、職員室ですが、こっちの方が自然ですよね。

また、その様子をみた明智が「毎日はやりすぎではないですか」と言うものの「数学の先生が英語の先生に口出すんですか?」と反論。

原作では恐らくゆにとハルカしか補習をしている事を知らなかった様子ですからね。もっとも、原作は命じられた瞬間から補習でしたから。

そもそも、原作の補習シーンは序盤の中のワンシーンにすぎなくて、映画みたいに物語の中心にはなっていませんからね。

なんで、そんなにこの補習だけで話を広げようとしたのか不思議です。









補習が決まったことをナミ(と咲)に話す場面。

先ほど述べたように、原作では補習のことはゆにとハルカしか知らなかったので、このシーンももちろんオリジナル。

先ほどの件ですが、ここでちゃんとゆにと、ナミ(と咲)が違うクラスだと説明されているのですね。

原作では3年間(咲は、1年の時は不明)一緒だったのでここもある意味改変されています。

また、原作ではゆにの補習が決まった時にはまだナミと咲は付き合っていません。(2年の修学旅行の直前に付き合います)

それどころか、当初はナミは彼を嫌っていたのですから意外です。

ゆには怒るとドーナツを食べるというオリジナル設定があるのですが、それを咲に変わってると言われた時のゆにの説明がなんていうかロボットみたいというか…

よく漫画やアニメで見かける「○○が××で△□~…」って早口で説明する場面をイメージしたのかもしれませんが、原作のゆにならまだしも、普通の女子高生に近いイメージの映画版ゆにがこんなにペラペラ喋るのに違和感があります。

原作のゆにから変人設定をとると、こんなロボットみたいってことなんでしょうか…

もしかしたら、原作にはあった「ハルカの顔は好きだけど性格は好きじゃない」って部分がないからでしょうか。

原作ではナミの前で、ハルカは美しい、と顔を赤らめながら言っています。

ですから、ゆには常に無表情ってわけではないのです。

それなのに映画では常に無表情、みたいに描かれているのでゆにがロボットみたいに見えてしまいます。

そして、登場人物の違いの時にも書きましたが、ナミと咲は名前しか原作の面影は残っていません。

ナミは元ヤンらしい言葉づかいではなくなった、だけなのでまだいい方ですが、咲に関しては彼の個性であるナルシスト設定はナシ、これだけで随分キャラが変わります。

さらに、咲の方からゆにに友達になりたいと言ってきた原作とは違い、ナミと2人っきりになった後「緊張したー」と言っているほど、ゆにのことを苦手としているよう。

つまり、咲は佐藤咲という名前と「ナミの彼女」という立場以外全て設定が変えられているのです。

はっきり言って、こんなに設定を変えるなら始めからナミの彼氏ポジションで別のキャラクターを用意するほうが妥当だったと思います。

現に花音にやや近いポジションで芽衣がいるのですし。

ナミと咲に関しては原作と映画で最もキャラが違う登場人物だと思います。






そして、いよいよ予告で飽きるほど見た壁ドンがある初めての補習のシーン。

…って言っても、これもまた原作とは違うんですけどね。

原作ではハルカがゆにの担任だったこともあり、担任としてゆにと仲良くしたいから、というそれはそれで無理ないかという理由で(しかし、その後「なーんちゃって」と言ってるので本当かどうかは不明)補習をしていました。

一方、映画ではハルカが英語が数学とは違った魅力を語っています。ここは個人的にいいと思いました。

しかし…












「ドン、ドン、ドン」と3拍子壁ドンです。

言うまでもないですが、この物語の中での壁ドンは1回なんですが、まるでドッキリ番組の「1カメ」「2カメ」「3カメ」のように3連発です。

これは原作を知っているからとかそういう以前にどういうつもりでこんな演出にしたのか理解不能です。

まず、原作との比較としては原作の壁ドンは補習開始前(前述したように呼び出した時に補習も始めている)の「気を引きたくてわざと間違えているんじゃないのか?(映画でも同様のセリフあり)」の場面で、厳密には本棚に対してやっています。



(原作第1巻より)

本棚ということで、恐らくあまり音は響かないと予想される一方、映画の方は壁ドンならぬ「ドアドン」。

しかも、ご存知の方も多いと思いますが、教室のドアは叩くと音が響きやすいですよね。

そのせいで、通常の壁ドンなら鳴らないような大きい音が、それも3連発。

これのどこにキュンとしろというのでしょうか。

実際に公開時に劇場で見てきましたが、あまりにも音が大きすぎて恐怖でした。そこだけホラー映画を見ている気分でした。

なぜ3連発もやろうと思ったのでしょうか、もし「1カメ」のテロップ入れたらもうやってることは原作と変わらないですよ…

その後、ゆにが「香水くさい…」と言う場面がありますが、原作では香水は登場せず、においを気にしているのはタバコです。

恐らく、これは近年の喫煙場面の規制でやむを得ずタバコは最小限に抑えたのだと思いますが…香水ってどうなのと思いました。

仕方がない事だとは思うのですが、タバコのにおいといえば大人のにおいって感じがある一方、男性が香水となるとそれは大人のにおいになるのか…?と。

また、原作では「タバコ1本でトリコ」と書かれているほど、タバコのにおいがある意味重要な役割を果たしています。

序盤でハルカは喫煙しているし、吸う場面が増えるわけではないのだから原作のままタバコのにおいではいけなかったのでしょうか…

タバコじゃないにしても、香水以外で代用できるものはなかったのでしょうか…



次回は、自宅でのゆにと明智の会話の部分から書きます。



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