去年の7月5日、
僕らが住む北部九州は、
信じられない豪雨で大きな被害を受けちゃったんだよ。
かなりのインパクトだったから、
北部九州だけでなく、
日本中の人たちがショックを受けたと思う。
とは言え、
対岸の火事みたいなもんだからさ、
1年も経過すると、
それほどはっきりと記憶していないはずだよね。
ところが、
ぼくら北部九州に住む人間は、
未だに傷を抱えて生きているわけ。
仕方ないよ、
当事者と当事者じゃない人の間には、
大きな温度差があるのが当たり前だもん。
おかげさまで、
僕ん家の界隈はそれほど深刻なダメージは受けなかったけど、
毎日のようにニュースなんかで上の写真のような映像を観ていたら、
やっぱナーバスになっちゃったもんね。
未だ復興への道半ばといったところで、
貧乏な第三セクターの鉄道会社は、
列車を運行させられないなんて地域もあるんだよ。
でもさ、
基本的にお調子者が多い九州だから、
1年もすると、
まあ明るい農村よろしく、
非常に前向きになっていたんだよ。
あの惨事から1年が経過する少し前から、
ローカルテレビ局が、
復興に向けて頑張っている福岡や、
大分県民にスポットを当てたドキュメンタリー番組なんかを放送してさ、
「やっぱ九州の人間は痛みに鈍感でいいよな〜」
なんて明るい気分を味わっていたんだよ。
福岡県では特に被害が大きかった東峰村なんかは、
自慢の小石原焼を復興のシンボルにしちゃったりして、
ちょいとアーティスティックな復興の仕方なんかがあるんだって、
感心したりね。
あれから1年。
その言葉はおそらく、
前向きな言葉になるはずだったんだよ。
ところがだよ、
マジで、
一年が経過する寸前にさ、
まただよ。
大豪雨!
今朝なんか僕が住む飯塚市の国道201号線が崩落したんだぜ。
このすぐ近くで、
車イステニスの国際大会が毎年行われててさ、
いわば車イステニスの聖地だから、
その世界では有名な場所がこうなっちゃったんだよ。
あれから1年。
もはや、
これじゃ映画『エクソシスト2』のキャッチコピーみたいで、
復興と真逆の大惨事になってんだもんなあ。
僕は復興にむけて頑張っています的なローカル番組を、
まめに録画していたから、
雨の降りが異常な勢いになると、
それを観ながら、
「人生って皮肉だよなあ」
なんて呟くという悪趣味なことをやっているわけで、
まあ、
まだ最後の最後って状況じゃないんだけど、
それにしても復興に文字通り水を差す、
腹がたつほど無粋な豪雨だよ。
世界中には近づきたくないものってあるじゃん。
例えば、
シュールストレミングなんてさ、
近づきたくない食い物ナンバー1だったりするわけじゃん。
でもさ、
近づきたくないものって、
物質的なものって、
ほぼ避けることが出来るじゃん。
先日テレビを観てたら、
ブラジルのピラルク料理と、
ドバイの空中レストランが紹介されてたんだよ。