今日ぼくが何を書くのか、
察しがついている人もいるかもしれない。
そう、
京都について。
ご存知のように京都って言うのは、
明治維新で東京に遷都されるまで、
日本の政治の中心地であっただけではなく、
日本の文化の中心地だったわけだ。
東京が日本の中心としてだけではなく、
世界に注目をされるような都市だって威張っても、
そうなったのはせいぜい150年でしょう。
それに比べると、
京都はず〜っと歴史があるわけじゃん。
何しろ歴史の重みみたいなものって、
人間なら誰でも大好きじゃん。
アメリカなんか歴史がなくて悔しいから、
強国になったり、
映画やロックを発展させたわけじゃん。
アメリカに奈良の大仏があったら、
絶対にあの国は、
ガツガツしないおっとりした国になってたと思うもん。
その伝でいくとさ、
やっぱ日本人の多くが、
東京よりも京都に畏怖の念を抱いているはずなんだよ。
それが証拠に日本のいろんなところに、
小京都って自称している街があるわけじゃん。
埼玉の川越が小江戸なんて言っているけど、
小東京なんて、
マヌケな通称を売りにしている街なんて、
ロスアンジェルスの火の見櫓をおっ建てたマヌケな街ぐらいだろう?
でもさ、
一応言葉で生きている人間である以上、
『小京都』があるんなら、
『大京都』があってもいいんじゃねえかって思うわけ。
小があるなんら、
大があるのが正常な状態でしょう。
僕は身長が165センチ(自称)しかない。
だから常々、
「井上は小さいな」
って言われる。
反対に友人の筑豊ハゲは、
ハゲのくせに身長が180センチを超える偉丈夫で、
「筑豊ハゲはデカイよな〜」
って言われる。
小があれば大がある、
善があれば悪がある、
どちらもあるから我々は安心して生活ができるわけだよ。
トイレなんか、
小しかなかったら、
どこでうんこすればいいんだっつうの!
そこで、
僕が住んでいる福岡県飯塚市だけど、
2019年度から『大京都』宣言をしたいと思うんだよ。
ハリボテのでっかい金閣寺なんかを安普請で建てちゃって、
名物大湯豆腐なんてな、
馬でも食べきれないような湯豆腐をプッシュしたりするとさ、
正直本家京都は腹が立って仕方ないだろうし、
抗議に来たりすると思うんだ。
そうするとさ、
相手の神経を逆なでするような薄ら笑いを浮かべて、
「ほほう、京都の金閣寺はたった3階建ですか? うちの金閣寺は6階建ですばい。なんせ大京都ですから」
なんて飯塚市長に言わせてえな〜。
「大京都から見れば、本物の京都も小京都ですばい」
賭け麻雀で失脚した前飯塚市長と賭け麻雀を楽しんでいた現飯塚市長なら、
そう言う図々しいセリフが似合いそうだもんね。
世界中の良識ある人から、
「飯塚市は恥を知れ!」
って非難轟々だろうなあ。
そうなんだよ、
恥を知ることが大事なんだよなあ……。
あいや、
大京都の話じゃなくって、
本題は昨日のボクシング中継だよ。
偉大なるボクサー山中慎介が、
ルイス・ネリに奪われたベルトと、
プライドを取り戻すための試合だったんだよ、
本来は。
そうして勝っても負けても、
山中選手は潔く引退をするだろうなって、
僕らのようなボクシングファンは思っていた。
もはや記録とか、
強さの証明とか言うより、
プライドを賭けた男の花道を飾るみたいな試合だったわけよ。
ところが、
世界チャンピオンだったルイス・ネリがさ、
計量当日に体重オーバー。
しかも2階級上のフェザー級の体重で計量に臨んじゃったわけよ。
ネリって奴は、
前回の試合で山中選手からタイトルを奪った時も、
ドーピング陽性反応が出てたのね。
普通ならベルト剥奪だけじゃないぜ。
スポーツの常識から言うと、
ボクシング界から追放されてもおかしくない。
日本のボクシングファンだけではなく、
世界のボクシングファンが怒ったんだよ、
その時も。
でも、
ネリは、
「食べた肉にドーピング剤が混じっていた」
って主張。
確かに最近の食肉用の家畜は、
薬漬けになっているとか聞くから、
そうなのかもしれないって、
納得できないけど、
ファンだけではなく、
山中選手もそれを受け入れて、
ネリにも、
ネリのベルトを剥奪しなかったWBCにも、
文句を言わずにグッと我慢したんだよ。
なんせ日本人には、
欲しがりません勝つまではの精神があるからね。
本来は意図的であろうと、
意図してなかろうと、
ドーピング反応が出たらみんなアウトってのが、
スポーツのルールなのにね。
で、
再戦が昨日だったんだけど、
2階級上の体重で仕上げて来たんだよ。
今度の言い訳が、
「栄養士がミスした」
だってさ。
二度に渡る失態の言い訳が、
いずれも他人のせいってのも見事だよなあ。
誰のミスとか犯人探しはさ、
陣営で話し合えばいいことで、
問題は体重を作っていなかったことだよね。
ドーピングの後が、
体重超過って、
二度に渡るルール違反が問題であって、
それを他人のせいにして、
平気でリングに上がっちゃうネリに、
マジで、
「恥を知れ!」
と言いたい。
でも、
もっと恥を知らなければならないのは、
昨日の試合を強引に決行した、
帝拳プロモーションの本田会長だよ。
日光を見ずに決行するなかれだ、
馬鹿野郎っ!
二階級上の体重で仕上げて来たネリと、
真面目に苦しい減量に耐えて、
ヘロヘロになっている山中選手を戦わせるセンスが無茶苦茶だよ。
そりゃあ、
昨日にピークの全てを持っていく努力をした山中選手にとって、
試合が流れたりすると、
モチベーションが途切れて、
ネリと再戦できなくなっちゃってたかもしれない。
「山中やるか?」
って問われれば、
「おう、やったるで!」
って、
今までのことを考えたり、
自分を応援してくれているファンのことを考えると、
選手ならきっと言うよ。
それを止めるのが、
ジム会長でもある本田会長だろう。
「オレはお前にボクシングをさせるために頑張っちゃってる。殺し合いをするために頑張ってんじゃねえ!」
って血気に逸る山中選手を諌める立場だよ。
だけどさ、
ボクシング興行を打つプロモーターは、
金儲けしなきゃいかんのよね。
同時に本田会長はプロモーターでもあるってのが厄介なんだよ。
いくら相手が悪いとはいえ、
土壇場で試合をキャンセルすれば、
チケット払い戻しとか、
テレビ中継の放映権料の返還とか、
ものすごい違約金が派生するのはわかる。
でも、
それはネリサイドに請求すべき違約金であり、
山中選手の体をかけてまでなんとかする筋合いのもんじゃないでしょう?
まあ、
相手はどんぶり勘定のメキシカンだし、
違約金払えって言ったところで、
踏み倒してしまうかもしれない。
だったら金儲けしようって言う発想がわからんわけじゃないけど、
そのプロモーターの金儲けのために、
一番迷惑を被った山中選手を犠牲にしようなんて、
本田会長は人間大京都、
人間6階建金閣寺だぜ。
恥を知れ!
BGMはシャーリー&カンパニーで『シェイム・シェイム・シェイム』をどうぞ。